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【絶対に譲れない!】みなみゆうき

高校一年生の夏休み直前。 俺は人生で何度目かの失恋をした。 言っとくけど俺はブサイクではない。世間一般的にいえばそこそこいい線いってるほうだと思う。 ただ、ちょっと女の子に間違えられることがあるだけで……。 ──正直俺は男らしいとは言い難い容姿をしている。 全体的に色素が薄いらしく柔らかすぎてヘアセットが困難な栗色の髪に、日焼けしても赤くなるだけで全然焼けない抜けるような白い肌。無駄に長い睫毛にパッチリとした二重のアーモンドアイ。やたらと血色のいいピンクの唇。 極め付きともいえるのが筋肉がつきにくいこの身体。ある意味男らしさの証ともいえる体毛もほとんど産毛状態なせいで、そこそこ身長はあるのに男だと認識してもらえないのだ。 だから俺は女の子にモテない。 彼女たち曰く、『友達にはなれても自分より可愛い彼氏とか無理』なんだそうだ。 そのせいでこれまでの人生において何度俺の恋心がへし折られてきたかはわからない。 そんな俺だが、高校に入学してから生まれて初めて彼女が出来た。 相手は同じクラスの女の子。 入学式で見かけた時からちょっといいなと思っていたら、なんと向こうから告白してくれて付き合うという夢のような展開が訪れたのだ。 ところがつい一時間程前。 学校からの帰り道。突然何の前触れもなく彼女に別れを告げられた。 『ゴメンね。なんか千歳くんて付き合ってみたら思ってた感じと違ってたの』 その時の俺の気持ちは『え!?そんな!?昨日そんなこと言ってなかったじゃん!』って感じ。 でもみっともなく追い縋るのもどうかと思い、心では涙を流しながらも俺は男らしく彼女の決断を受け入れた。 夏休みには海へ一泊旅行に行く予定で。もうホテルもバッチリ予約済だったし、観光する場所もチェックしてあるし、新しい水着だって買った。 それに何より。彼女と一泊旅行なんだから当然ムフフな展開があるはずで。 俺はすっかり脱・童貞出来るつもりでいたのだ。 見た目はこんなだが、俺は健全な高1男子。エロいことにも興味津々だし、セックスだってしてみたいお年頃。 (もしかしてそういうヤりたいオーラが彼女に伝わってたのかな……。女の子はそういうのあからさまだと気持ちが冷めるって聞くもんな) 俺は若干青ざめながら、ベッドの上で寝返りを打った。 その時、ノックも無しに部屋のドアが開けられる。 「千歳いるかー?」 「入るぞ」 勝手に入ってきたのは俺んちの両隣に住んでる三つ年上の幼馴染。 王子様系イケメンの隼人。 ワイルド系イケメンの亮太。 見た目もさることながら、何もかもがハイスペックで、この春揃って国内有数の難関大学に進学し、将来有望。当然女子にはモテモテ。 まさに世の中の男達が羨むような要素を全て兼ね備えているような二人だったりする。 正直二人と一緒にいると俺のコンプレックスが刺激され過ぎるのであんまり仲良くしたくはないのだが、幼馴染だから仕方ない。 (こんなにイケメンでモテモテなんだから俺なんかに構わなきゃいいのに……) こうして予告もなしに現れるから俺は自分の部屋にいるってのに、おちおちオナニーも出来やしない。 「どうしたんだ?具合でも悪いのか?」 「熱はないみたいだけどな」 俺の顔を覗き込んできた隼人に、そっと額に手を当ててきた亮太。俺は二人を無言で見上げる。 俺もこういう感じに生まれたかった。 言ってもどうにもならない事だってわかってるけど、そう思わずにはいられない。 「ホントに元気ねぇな。初めて出来た彼女はどうした?まさかもうフラれたのか?」 揶揄うような口調の隼人に、俺は無言で睨み返す。 亮太は小さくマジか……って呟いているけど、その表情は明らかに面白がってることがわかるもので、俺は反論するのも馬鹿馬鹿しくなり、身体を反転させて二人に背を向けた。 すぐにベッドが大きく軋む。 「そんなに拗ねんなって」 こういう時、決まって優しく頭を撫でてくれるのは隼人。 「夏休みは俺らと遊びたい放題だな。たまには男同士で海水浴デートしようぜ」 冗談みたいな事を言って気持ちを軽くしてくれるのは亮太。 二人は本当に俺に甘い。 だから俺もちょっと鬱陶しいと思うことがあっても、二人と一緒にいるのが好きなのだ。 「うん。じゃあ海行きたいな。実はその彼女と行くつもりでもうホテル予約してあるんだよね。今からだとキャンセル料かかるし、せっかくだから一緒に行こうよ」 二人を心配させないようになるべく明るい口調を心がけて提案すると、二人は一瞬目を見開いた後、お互いに視線で会話していた。 「ホテルにはひとり追加になったって連絡しとくから」 「じゃあ俺は車出す」 まさにツーカーという感じであっという間に決まった夏休みの予定に俺の気持ちは少し浮上する。 「ありがとう!隼人!亮太!三人で泊まりで出かけるの久しぶりだね!楽しみ!」 そう言った途端。 二人の目の奥がキラリと光ったのは。……きっと俺の気のせいだと思うんだ。 ◇◆◇◆ 『たまには男同士で海水浴デートしようぜ』 ……なんて言ってたのに。 今の状況はそんな状態とは程遠い。 女の子の囲まれてキャイキャイ言われてる二人に、ぼっちの俺。 全然楽しくないどころかむしろ虚しい。 (はぁ……。バカらし。部屋帰って寝よ) 俺はさっさと自分の荷物を纏めると二人に何も言わずに部屋へと戻ることにした。 だがしかし。 一見女の子にしか見えない人間がこんな浮かれた連中がたむろしてる所にひとりでいたらどうなるのか。 (……俺の認識甘すぎたみたい) 日焼けするのが嫌だからってラッシュガードを着てたのが仇になったらしく、男物の水着を着ているにも関わらずあっという間にナンパ目的の男達に囲まれ、あの二人の文句を言えなくなった。 (クソッ!これが女の子に囲まれてるとかだったらウキウキだったのに) 心の中で悪態をつきながら俺に話し掛けてくる男達の言葉を聞き流す。 こういう時下手に反応すると面倒が増えていくため、俺は少しも歩みを止めることなくガン無視状態でこの場をやり過ごすことにした。 (こういった連中はどうせナンパ出来れば誰でもいいんだから、脈がないとわかったらすぐにどっか行くだろ) ところが、そう高を括っていた俺の認識が甘かった事をすぐに実感する羽目になった。 「無視しないでよー。一緒に来てるの彼氏じゃないんでしょ?あっちはあっちでお楽しみなんだから、こっちはこっちで楽しもうよ」 男のひとりが俺の腕を掴み、強引に自分の方へと引き寄せる。 思ってもみなかった強引な行動に、俺は急に自分の動きを止められた事でバランスを崩し、自分の意思とは関係なくその男の胸に飛び込んでしまった。 (うわ。酒臭ぇ。酔っぱらいかよ) 思い切り顔を顰めたその時。 突然俺と密着していた男が消え、支えがなくなりよろけたところで何故か身体が浮き上がる。 「大丈夫か?千歳」 頭上から降ってきた声に顔を上げると、そこにはよく見知った隼人の顔が。そして。 「俺の連れに何か用か?」 俺らを背にして亮太が立ちはだかる。 途端にナンパ男達が一目散に逃げ出した。 正直助けに来てくれたのは嬉しいし、ホッとしたのも事実だけど、こういうことになる前にもっと早くに気づけよと思っちゃうのは俺のワガママなんだろうか……。 そんでもって姫抱っことかあり得ねぇから! 俺は慌てて隼人の胸を力いっぱい押すと、ややバランスを崩しながらもなんとか砂浜へと着地した。ちょっと足を捻ったような気もしないでないが今は気にしない事にする! ところが俺が何も言わずにホテルの方向へと歩き出そうとすると、すぐに隼人に止められた。 「ちょっと待てよ。お前今、足捻ったんじゃないのか?」 隼人にはバレバレだったらしいが、そうだと認めるのもカッコ悪い。 「大丈夫」 「大丈夫じゃなかったらどうするつもりだ?」 いつもと違う隼人の厳しい表情に俺は何も言えなくなってしまう。 「何だよ?もしかして千歳は拗ねてんのか?」 亮太の指摘にギクリとしながらも、バレてしまっちゃしょうがないと開き直ることにした。 「そうだよ!悪い?!だって二人が俺をほったらかしにして女の子に囲まれてるから!ホントは俺だって(女の子と)イチャイチャしたい!」 俺の欲望に忠実でアホすぎる発言に二人は顔を見合わせ絶句している。 しかし隼人はすごい勢いで再び俺を抱き上げると。 「亮太、荷物は頼んだ!千歳はケガしてるみたいだし俺たち先に部屋に戻る」 「は!?ちょっと待て!」 焦る亮太を無視して一目散にホテルへとダッシュしたのだった。 ◇◆◇◆ 状況がイマイチ理解出来ていない俺は、ただ隼人にされるがままになっていた。 部屋に到着するなり、いきなりバスルームへと連行され真っ裸にされた時にはさすがに焦ったが、海に入らなかったとはいえ、潮風で身体がベタついてる気がするし、髪もバサバサになっているのだからシャワーを浴びないことには部屋のソファーにも座れないことに気付き納得する。 ところが隼人までもが着ていたものを脱ぎ去り、一緒にバスルームへと入ってきてしまったことにギョッとした。 「え!?ちょっと何で!?」 「お前の身体は俺が隅々まで洗ってやるから」 隼人は答えになってない返事を返しながら、ボディーソープをつけた手で俺に触れてくる。 俺はというと。 このシチュエーションに大いに慌てながらも、普段は着痩せして見える隼人の立派な身体つきに目が釘付けになってしまった。 (隼人って筋肉スゲー。でもってアソコも立派。 なんか俺の身体が貧相すぎて、一緒の空間にいるのがいたたまれないんだけど……) 「シャワーくらいひとりで出来るから隼人は自分のことやってよ」 「遠慮すんなよ。お前さっきイチャイチャしたいって言っただろうが」 「え!?だからって……!」 「いいから俺に任せとけ」 (確かに言ったけど、それは相手が女の子っていう前提であって、間違ってもこういう意味じゃなかったんだけど!) そう力説するわけにもいかず、俺は黙ったまま隼人に身を任せるしかなかった。 柔らかく泡立てられたボディーソープで背後から全身を隈無く手洗いされる。 しかしゆっくりと丁寧に身体を撫でていくその手の動きがなんだか絶妙にいやらしい感じがして、隼人の身体を見た時以上に落ち着かない気持ちにさせられた。 (──やばい。このままじゃ俺、うっかり勃ちそうなんだけど) 若干前屈みになっていると、隼人はまるで俺の反応を面白がっているかのように、脚の付け根付近をスッと撫でてきたのだ。 「ん……」 「なんだよ。ずいぶん敏感な身体だな?もしかして感じちゃった?」 思わず漏れでた声に慌てて口を塞いでみても、もう遅い。 事実とはいえすんなりそれを認めるわけにはいかず、俺は隼人を睨み付けてから再び背中を向けた。 ところが今度はその手が上半身へと伸びてくる。 「自分でここ弄ってみたりとかしてんのか?」 「ひゃぅ…ッ…」 いきなり乳首を撫でられ、うっかり変な声を出してしまった俺は、慌てるあまりつい変な事を口にしてしまった。 「ないない!そんなこと絶対にあるわけない!!だって俺、男だからこんなとこ触らないし!そもそも男でもここが感じるなんて今初めて知ったし!!」 (……あ、まずい) 自分が何を口走ったのか認識した俺は、一瞬にして青くなる。 「へぇ、ここ感じてんだ。じゃあ他にどこが感じる場所なのか教えてもらわないとな」 これから何をされてしまうのか、そして俺はどうなってしまうのかという不安から咄嗟に逃げを打とうとしたその時。バスルームのドアが勢いよく開いた。 「こら。抜け駆けナシって言っただろうが。何勝手におっ始めてんだよ」 その荒々しい口調とは裏腹に楽しそうな表情の亮太の登場に、俺は完全に逃げ場を失った事を覚った。 (男同士でシャワーしててひとりだけ盛り上がった状態になってる俺って!……超いたたまれない) こんな状態にした本人の方をチラリと見ると、特に焦った様子も、悪びれることもないようで。こんなところを見られたにも関わらず気まずい思いをしているのは俺だけだということがよくわかった。 「モタモタしてるお前が悪い」 「面倒なこと押し付けといてよく言うよ」 「早い者勝ちってことで。どうする?混ざる?」 「当たり前だろーが」 (え!?) なんと亮太までもが着ているものを脱ぎ去り、すぐにバスルームの中に入ってきてしまったのだ。 それなりの広さがあったはずのバスルームがあっという間に手狭に感じられる。 「なんだ千歳。隼人にいじられてもう勃ってんのか?」 「うひゃッ」 正面に立った亮太に元気になり始めているムスコをダイレクトに触られ、またしても俺の口からおかしな声が飛び出した。 そりゃ気持ちいいことされればチンコも勃つよ!だって俺、健康な男子だからね!しかも童貞とくれば他人から与えられる快楽に対する耐性が無い分、ちょっとの事でも反応しちゃうよね! 百戦錬磨と思われる二人に揶揄われるような形となった俺は、なんだか自分が情けなくて泣けてきた。 そんな俺を見て正面に立つ亮太が顔色を変える。 しかし亮太は俺の顔をじっと覗き込むと、突然顔を近付けてきたのだ。 そして。 「泣くなよ」 ボソリと小さく呟くと唇をチュッと啄まれる。 俺はというと。 ビックリし過ぎて一瞬で涙も引っ込んだ。 「な……んで……?」 キスされる理由がわからず呆けていると、亮太が蕩けるような笑みを見せた。 「千歳の事、愛してるから」 まさかの愛の告白の後、もう一度近付いてきた唇に俺は条件反射的に目を閉じる。 しかし二度目のキスは、後ろにいた隼人が急に俺の身体の向きを変えたせいで、俺の唇に訪れることはなかった。 その代わり。 「俺だって千歳の事愛してる」 隼人からも愛を告げられ、キスされる。 でも隼人のは亮太みたいに触れるだけというものではなく、唇を深く合わせた所謂『大人のキス』だった。 薄く開いた唇から侵入してきた隼人の舌が、まるでさっき与えられた快感を増幅させるかのように俺の口の中を擽っていく。 「ん…ッ……」 それと同時に乳首に触れられ、身体の力が一気に抜けた。 こんなことくらいで自力で立っているのが困難になってきた俺は、隼人の首の後ろに腕を回し必死にしがみつこうとするが、その腕ごと亮太が背後から俺を抱き締めたせいで、そうする事は出来なかった。 身動きが取れない体勢のまま背後から泡がたっぷりついた亮太の手で半勃ちになったチンコを扱かれ。正面からは隼人に深いキスをされながら乳首を捏ねくりまわされ。 俺は男同士だということも忘れ、いともあっさり陥落してしまう。 その上。 「ぁんッ……!そこは…っ…!」 前を扱いていた手はそのままに、なんと亮太は俺の後ろの穴にまで触れてきやがったのだ。 焦った俺が身を捩って亮太のほうをむこうとすると、隼人にやや強めに乳首を摘ままれた。 「やぁ…っ…!」 ツキンとした微かな痛みとそれを上回る快感に、身体が勝手にビクンと跳ねる。 そのタイミングを見逃さず易々と後孔に侵入をはたした亮太の指が、すぐに何かを探り当てるかのような動きで内部をかき混ぜた。 「あぁ……ッ!」 今まで感じた事のない予期せぬ衝撃を内側から感じたその瞬間。 自分の意思とは関係なしに、俺は亮太の手の中に欲望の証を吐き出してしまっていた。 しかしこれだけで終わりではなかったようで。 「スゲーいい反応。どっちからいく?」 「千歳はどっちがいい?」 亮太と隼人にそう聞かれ、霞のかかったような頭でぼんやりとその意味を考える。 しかしその質問の意味がいまいち理解出来ずに首を傾げながら目の前の隼人を見上げると。 「千歳の中に最初に入るのはどっちがいいか聞いてんだよ」 ある種の熱を孕んだような眼差しで見つめられ、一旦冷めかけていた筈の熱がいとも簡単に戻ってきてしまった。 しかし。 「俺を選べよ」 隼人に腰を押し付けられ。 「俺だろ?」 亮太に腰を擦り付けられ。 両方から感じる硬い感触に、つい自分の身体に当たっているものに視線をむけてしまった途端。一気に俺の中に冷静さが戻ってくる。 (二人とも超デケェ……。これを俺のどこに入れるって!?) 想像はつくけど、正直その体験はしたくない。 「絶対無理!普通に考えてこんなおっきいの入るわけないでしょ!?」 二人の完勃ち状態のチンコを交互に見比べて戦慄した俺は、二人の身体が少しだけ離れた隙をついて、脱兎の如くバスルームを逃げ出したのだった。 結局のところ。 通常モードに戻った隼人と亮太と話し合いをし、二人の事は好きだし触れられるのも嫌じゃないけど、今すぐ身体を繋げるのは無理だということを半分涙目になりながら必死に訴えた。 二人は俺の話を聞くと、其々優しく抱き締めキスしてくれた。 そして今日はこれ以上は何もせず、一緒に寝るだけでいいと言ってくれたのだ。 俺は同じ男として中途半端な状態にさせてしまったことを申し訳ないと思いつつも、こんなハイスペックイケメンに愛されてるということにとてつもない喜びを感じながら、二人の間に挟まれて眠りに就いたのだった。 ◇◆◇◆ 翌日。 昨日海を満喫出来なかった分まで楽しもうと、俺たちはかなり早い時間からビーチへと繰り出していた。 朝という時間だけあって、二人に熱い視線をむけてくる女の子達も、お酒を飲んで酔っぱらってる人もいない浜辺は最高だった。 太陽の光を反射してキラキラと輝く波間に気を取られていると、先に歩いていた二人が立ち止まり俺を呼ぶ。 「ほら、早く来いよ」 「うん」 「はしゃぎすぎて転ぶなよ?」 「うん!」 一見子供扱いされているようでなんだか照れ臭いが、これが恋人に対する気遣いだと思うと嬉しいと感じるから不思議だ。 昨日までとは明らかに二人とのスタンスは変わってしまったが、二人の俺に対する強い愛を知っちゃった今となっては、それを前向きに受け入れたいと思ってる自分がいる。 俺は二人のほうへ走り寄ると、二人の間に入り、人目も憚らずしっかりと腕を絡ませた。 蕩けるような笑顔を見せてくれる二人に俺も自然と笑顔になる。 この分じゃ俺の二人に対する気持ちが追い付くのも時間の問題かもしれない。 っていうか、もう既にかなり好きだったりして……。でも! 最後の一線だけは、まだまだ絶対に譲れない! 俺はそう固く心に誓ったのだった。

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