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第6話
翼は、もこもこパンツの毛羽をむしった。ガツガツくるのが正解の場面で、尻切れトンボに終わらせちゃうなんてケチんぼ。
ダーリンはおれを子ども扱いするのが玉に瑕で、それって心の底から愛してくれている証拠なんだよね、キャッ。
などと独り言さえノロケ話に変じるあたりが、ザ・新婚さんならではだった。
それはさておき、ばななマンが手裏剣を投げつける要領でチョーク型のローターを放つ。
それは誠也のへそに命中したはずみにスイッチが入った。
「くっ、はうう……っ!」
振動が下腹部に響き、ムスコを揺り起こす。誠也は咄嗟にTシャツの裾を引っぱり下ろすと、内股気味に後ずさった。
実は首尾よく合体と相成ったさいに、歯止めがかからなくなって翼を壊しては大変、と一日一回一せんずりを習慣にしているのだ。
今日もすでにヌき終えているが、さまざまな精力剤の成分が体内で化学変化を起こした結果、勃起率がうなぎのぼりにあがりっぱなしなのだ。
と、ばななマンが手拍子に合わせて歌いだした。
「むすんで、ひらいて。むすんで、ひらいて」
ワンフレーズごとに、誠也の下肢はそういう仕かけがほどこされているように、ぱかっと開いては閉じる。
チョーク型のローターで股ぐらを狙い撃ちされるにつれて、にょきにょきという音がこだまするようで、ジャージの中心に妖しい皺が寄った。
連鎖反応を起こして、もこもこパンツの前も丸みを帯びはじめた。
可愛らしい膨らみと、ふさふさの尻尾は双子のようで、翼が腰をもぞつかせると、もこもこパンツのあちらとこちらで仲よく躍る。タイツがずれて網目の痕がちらつく。
白い肌に鮮やかな模様は、こう焚きつけてくるようだ。
──破ってほしいな……。
視線が絡み、誠也は片膝立ちにしゃがんだ。網タイツをつまむと、膝がオットマンであるかのように翼が足を載せてきて、はにかんだ笑みを浮かべた。
では、いっちょ景気よくビリッ。
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