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第8話

 学ランを彩るスパンコールが、性急さをとがめるようにぎらつく。チョーク型のローターが雨あられと降りそそごうが、かまっていられるか。  ぷりぷりのお尻を鷲摑みに、ほじくり出す勢いで吸いしだく。乳首の尖りぐあいと、もっこり度は等式で示される。  雄叫びをあげるような脈打ちっぷりに、今度こそイケる、と手ごたえを感じた。  翼は、胸元で蠢く頭に手を添えた。日ごろのいじり方は物足りなさを覚えるほどソフトなだけに、荒っぽい舌づかいが新鮮だ。  乳首をひとかじり、ふたかじりされると膝ががくがくして、ウサギの耳がぴょこぴょこ跳ねて、ついでに自分でこっそり拡張を進めてきた後ろが甘ったるく疼く。  ジャージの中心はテントを張って窮屈そう。もしかして、もしかすると初合体になだれ込む可能性大?  誠也は、ぷにゅぷにゅとした鳩尾に沿って腰をかがめていった。包装紙を剝がす思いでもこもこパンツをずり下ろすにしたがって、手汗がぬらつく。  いちど深呼吸をしたが無駄だった。先っぽが覗いたとたん頬張る始末で、鈴口をこそげるように雫をすすった。 「誠也さぁん、感じすぎるよぉ……」 「もごもご(訳、いいから任せておけ)」  行きつ戻りつ舌を這わせながら、双丘を割り開いた。窄まりを暴き、至福の揉み心地を堪能する。  可愛いお花ちゃん、俺のために咲いてくれ。  八百万(やおよろず)に祈りを捧げたうえでギャザーをひとひらめくった直後、またもや忌まわしい現象が起こった。  砂の城が波にさらわれるように、ペニスの輪郭が徐々にぼやけていく。  依然としてこりこりしたものが舌を押し返してくる感触はあるが、例によって例のごとく裸体遮断装置が作動し、下腹部全体が暗幕で覆われているように実体が消え去るに至っては興醒めだ。  ムスコがうなだれたのにつづいて、四つん這いに崩れ落ちた。  中折れ病とは不治の病なのか? 勃起した状態を保ちたきゃ、尿道にシリコンを流し込めというのか……!? 「ドンマイ、誠也さん」  翼は男泣きにわななく背中を撫で、ばななマンがその翼に、タヌキのお面をかぶせて、厳かにひと言。 「中崎誠也よ、供養その三だ」

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