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第10話

「一緒に住むか」 「………え?」 俺の言葉に、優紀はぼんやりしていた顔をこちらに向ける。 -昨夜、少々無茶をしてしまった自覚は俺にもある。 兄貴に居場所がバレ………。 いや、兄貴に住んでいる場所が最初からバレている事は分かっていた。 ………俺が通っている学校は知られているんだから。 それなのに学校じゃなく、マンション前で俺を待ち伏せしているのはどこに住んでいようと、俺は兄貴の手のひらの上でウロチョロしているだけだと知らせる為か………。 それか、俺が何故この高校に通う事にしたのか、何故優紀をペットにしたのか分かっていて、早くしろと急かしているのか。 兄貴に連れて行かれて………思い出したくもないような事をされた俺はその怒りを昨夜、全て優紀にぶつけてしまった。 ………優紀と自分をダブらせてしまい、いつも以上に無茶をしてしまったけど。 (尿道にバイブを突っ込んで動かした時の乱れぶりは凄かったな) -白目剥いて、腰を振っていた。 (本人、覚えてないみたいだけど) 『ちんぽが壊れる~!!』と叫んだ後の記憶がないみたいだ。 その後、自分がどれ程乱れて、何を言ったのか全く覚えていないようだった。 今日は身体がしんどいのか、動きがいつもよりも緩慢でのろのろしている。 この様子だと、微熱もあるだろう。 本当は今日は1日、寝ていたいに違いない。 でも、俺が出てこいと言えば多少身体がしんどくても出てくるところは優紀らしい。 優紀には重い物は持たさず、小物の整理をさせている。 (重い物を持たせて落とされても嫌だしな) 具合が悪いにも関わらず、荷物整理をしている優紀を見ている内に昨夜の優紀を思い出した。 その時、不意に思ったのだ。 一緒に住んじゃえばいいんじゃないかと。 一緒に住んだ方が何かと便利だし、優紀を今まで以上に自由に使う事ができる。 一瞬、何を言われているのか理解できていないみたいな様子の優紀だったが、理解するとぱあぁっと顔が一気に明るくなった。

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