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第12話
-天使に会った。
その子は今までに俺の周りにはいなかった会った事もないような子で…繊細で壊れそうな…守ってやりたくなるような…そんな 子だった。
道に迷って困っていたその子を、目的地まで送ってやり、礼を言われた。
……………又、会いたい。
初めてそう思える子に出会えた。
このまま通りすがりで終わりたくないと思った俺は別れ際、無意識の内に会う約束をした。
それからは、その子に夢中。
俺はその天使-愛原雅樹に会う度に惹かれていった。
こんな気持ちは初めてで…戸惑った。
それと、不安になる。
だ無垢で綺麗な…天使のような雅樹に会う度に、俺は自分が汚れている事を自覚して………。
今は笑いかけてくれる雅樹も、俺の事を知ったら笑いかけてくれなくなるだろう………いや、嫌われて会ってくれなくなるかもしれない。
俺はそれが恐い。
(雅樹には知られたくない)
………遊び仲間とは、総て手を切った。
手を切るのは簡単だ。
ただ、皆が集まる場所へ行かなければいい。
皆の集まる場所に行かなければいい。
お互い約束しているわけじゃなし、携帯番号も知らないから連絡のとりようもない。
仲間の入れ替わりも激しいから、見知った顔がいなくても気にしないし、知らない顔がいても気にしない。
ある意味、表面だけの付き合いだから後腐れがなくて気が楽だったが、しようがない。
(………問題は……)
忘れようとした頃に現れてくる………。
兄貴だ。
躊躇っている場合じゃない。
迷っている場合でもない。
あの写真を見つけた時から計画していた。
この為に手懐けたようなものだ。
今じゃ“御褒美”がなくても、俺の指示に従う。
俺の思惑通り。
のはず。
なのに。
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