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6日目の午後ー4
「お前さぁ、だから人の話盗み聞きするなよ」
わざとらしく溜息をつく。もうこの話は終わり、という合図だろう。大竹は、ネガティブな話を引きずるのを、いつでも嫌う。だから設楽も、大竹に合わせて明るい声を無理矢理出してみた。
「何言ってんだよ!あんな、いかにも俺に聞いて下さいみたいな場所で話されたら、聞き耳くらい立てるだろ!?」
「大体お前、少し考えりゃ分かるだろ」
大竹はそう言うと、少しだけ目線を彷徨わせてから、意を決したように設楽の左手を取った。
「先生……?」
一瞬顔を赤くした大竹は、そのまま設楽の左手を運転席側に持ってきて、そして……
「―――!!」
何が起きたのか、分からなかった。
設楽は自分の左手に、全神経を集中した。
これが夢でなければ、今自分の手の下には、大竹のナニがある。
やんわりと芯を持った大竹の分身が、デニム越しとはいえ今自分の手の中に……!!!
「先生っ!?」
「だから、お前とそーゆー事したくなかったら、お前とキスしただけでこんな風にならねぇだろ。何で俺が毎晩毎晩便所で抜いてると思ってんだよ!」
「抜いてたの!?」
「抜くだろ、普通!お前と2人で抱き合ってキスしてんだぞ!」
「うわ…、うわっ、ちょ…先生のだ……」
設楽がぐっと力を入れて大竹のソコに指を沿わせると、大竹はぴくりと目を眇 めた。
「ん…、これで分かっただろ。ちゃんと俺が……ってストップ!そこでストップだ!」
「は!?何言ってんの!?先生が俺に感じて毎晩抜いてたとか聞いて、しかも初めてお許しが出て触らせてもらってんのに、止められるわけないだろ!?」
設楽の手が包み込むように大竹のをぎゅむぎゅむと揉み込み、ジーンズの前立てを爪でカリカリと引っ掻くと、大竹は「くっ」と鼻にかかった声を漏らした。
「……先生っ」
なんて声出すんだよ。俺に触られてそんな声出すとか……
「ちくしょう……もう我慢なんて出来るかよ……!」
「ちょ…設楽お前!怖いって!目が怖いって!!」
助手席からぐっと体を伸ばしてきた設楽が、逃げようとする大竹の体をシートに押しつけて抱きしめてくる。いや、抱きしめるというよりも、これはもう拘束に近い。
「や…っ!」
そのまま左手をズボンの中に突っ込もうとしてくる設楽の行動に焦って大竹が取った行動は……
―――ゴッ―――!!
「ぎゃん!」
大竹は渾身の力を振り絞って、設楽の額に頭突きを噛ました。
「ってー、先生!いきなり……舌噛んだだろ……!!」
「良い気味だ!テメーはなに理性無くしてんだよ!俺は今、夜道で突然襲われる女の気持ちが少し分かっちゃっただろ!?」
「だって先生の触らせてもらったの初めてなんだよ!?そりゃ理性くらい飛ぶでしょ!?」
「軽過ぎんだよテメーの理性はよっ!」
「先生みたいに鋼鉄の鎧みたいな理性よりは遙かに健全だよ!」
暫く2人は牙を剥いてフーフーと息を荒げていたが、そのうちどちらからともなく笑いがこみ上げてきた。
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