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第20話(R18)

 1か月前、偶然、片倉が久川とホームセンターで出くわした日。 「まだ終わる気はないから」  という宣言の通り、片倉は久川によって何度も何度も愛撫を与えられ、性的な行為が繰り返されていた。 「―――――――――」  執拗とも言える久川の愛撫に、もはや片倉の嬌声は意思の疎通を成さないものになっていて、その陰茎からも液体は出ていない。  だが、 「健人さん、もしかして、出さずにイっちゃったんですか?」  臍や筋肉のついた腹部をビクビクと麻痺させて、片倉は久川の指摘に相違なく、射精を伴わないで絶頂してしまった。 「あぁ、うっ」  絶頂したばかりの片倉の、麻痺して震えている臍の窪みや腹部の筋を溜まった液体を久川の指がなぞるように嬲る。時には掻き出すように、時には塗り込めるように動く指に、片倉は首を振った。 「やぁ……」 「可愛い、本当に可愛いですよ。健人さん」  久川は優しく片倉の首を捕らえると、唇を奪う。片倉は目の前が真っ暗になりそうになりながら、久川のキスを拒むことなく、受け入れていた。 「どうして、こんな……」  全ての愛撫が終わり、久川は洗面台で手を洗って、ビデオのスイッチを切る。そして、絨毯へ横たわっている片倉の身体を固く絞ったタオルで拭く。 「灯英さん、や、奥さんを騙して、こんな……」 「ふっ、騙して……ですか」  まるで、愚かな詰問だと笑われるように口に出すと、久川は声の感じとは違い、寂しそうに言った。 「すみません、それはまだお話できそうにないです」  普通に射精し、ドライオーガズムでも達してしまった片倉の意識はそこで切れる。いや、久川に睦言を囁かれ、キスされる前から意識があったかは怪しかった。  無意識に、久川に対して思い、久川の娘と妻に対して思っている罪悪感だった。

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