38 / 63

第38話(R18)

 ホテルへはまず、片倉が入り、ダブルベッドのある部屋をとった。  それから、10分程、時間を空けて、久川もホテルの客のような振りをしてホテル内に入り込んだ。片倉が借りた部屋に向かい、片倉が久川を招き入れる。 「んんんっ!!」  久川は後ろで部屋のチェーンロックをかけると、片倉にキスをした。  久川の噛みつくようなキスに、片倉はヘタヘタと右の壁の方に倒れ込むが、久川も片倉を逃がさないとばかりに唇を責める。 「せ、せめて、ベッドへ……」  外国のように靴で室内を歩き回ったり、ベッドへ寝転んだりする訳ではないが、ホテルの部屋のドア付近は日本人でも靴を脱がない。ホテルのスタッフによって毎日のように清掃はされているのだろうが、座り込んだり、横たわったりするには抵抗があった。  それに、扉を閉め、鍵をかけたとはいえ、ドアの向こうは廊下であり、久川の出す艶かしいリップ音や片倉のくぐもった声が伝わりそうだった。 「いや、すぐにでも見せて欲しいです」  久川は壁に手をついてください、片倉先生、と呟くと、片倉のパンツを下着ごと脱がす。  片倉の、プルンというよりに飛び出したペニスに、ピクンというように震える亀頭。尻たぶによって慎ましく隠されたアヌスの入口。  片倉は久川に凝視されただけで、眩暈がしそうだった。 「相変わらずいやらしくて、可愛いですね。片倉先生」  片倉のペニスや亀頭はまさしく視るだけで、触れることなく、久川の指は尻たぶをこじ開けて、入口に触れる。  ジムで身体を動かし、一応、ジムで簡単にはシャワーを浴びた上で、ホテルに来ていた……が、到底、片倉には受け入れられなかった。 「き、汚い……から……」  堂々とした教師っぷりには程遠く、弱々しく呟く片倉。  思えば、あの8月の旅行の時は色めいた行為は一切しないで、ただ久川と沿うに寝た。7月も授業参観の前日で、片倉には触れてこなかった。実に、2カ月振りに久川に暴かれるように触れられて、片倉は喘ぐように制止を繰り返す。  そんな片倉を尻目に久川は片倉の尻たぶをこじ開けたまま、指を直腸の中に押し進める。 「汚いって言われて、返す言葉にしては月並みですけど、凄く綺麗ですよ。あと、相変わらず締まりが良いというか、狭いくらい。俺の指、喰われて取れちゃいそうですよ」  片倉が石川との不貞行為を犯していないのは明らかで、これ以上はローションやボディクリームなんかがなければ、それ以上、久川の指は片倉の奥へは進めそうになかった。 「あぁ、ひさ、かわさ……」  突き入れた指が抜けていく感覚に、片倉は寂しさを覚える。視るだけ視て、放ったらかしにされていた亀頭なんかも疼いて、堪らなかった。 「ごめんね。ちょっとツラいだろうけど」

ともだちにシェアしよう!