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第62話(R18)

いつか、石川が片倉の前立腺を夜通し、責め立てた時に評していたが、片倉のアナルはきつく閉ざされていて、久川と石川に責められたにしては経験がないに等しかった。 「うぅ、うンっ。あぁ、あハっ……」  ましてや、2年もブランクが空いたことで、片倉は処女にも近い状態で、浅く息を吐いたり、呻いたりを繰り返していた。 「健人っ……」  久川はドロドロとボトルのローションを纏わせては2年前の記憶を頼りに前立腺は避けて、アナルの窄まりからS字結腸までの道を拡げていく。 「み、みなぁ、と……」  呂律の怪しくなった片倉は決定的な快楽を得ることができず、ナカをジュクジュクと熟れさせて、切なげに久川の名前を呼ぶ。  片倉は腰を振るなり、右や左だと方向を伝えて、自分だけ久川の指に前立腺が当たるようにすることはできるが、それでは、全く意味をなさない。  自慰でも良い訳だし、相手が久川でなくても良いのだ。 「じゃあ、入れる……ね」  こんなに切羽詰まった久川の声を聴いたのは片倉も初めてだった。  だが、それも一瞬のことで、「あぁ」と返事をする片倉の下半身には今まで感じたことのない感覚が襲う。 「――――――――――――」  言葉にならない、強い圧迫感と鈍い痛みが走り、片倉の精悍な顔つきは歪められる。  ただ、確実に久川の陰茎が片倉のS字結腸を目指して、ゆっくりと入っていく。 「健人、けん、とっ……」  久川も苦しげに片倉の名前を呼ぶが、何とか久川が考えていたところまで押し入れることができたようだ。久川が片倉に大丈夫かと聞くと、片倉は震えたような声で「う、んっ」と頷く。 「じゃ、あ、動く、ね」  久川は片倉に次の動作を宣言すると、ゆっくりと腰を動かして、片倉のアナルの中で繋がった陰茎の抜き差しをする。片倉の身体から抜ききらないように気をつけながら、片倉の前立腺を突いていく。 「あぁ、やァ、やアっ……!」  ひきつったような、ただ、確実に艶めいた声を上げて、片倉は顔を真っ赤にして、枕を下に敷いた腰を揺らす。 「アぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!!」  片倉の鈴口はぴくんと震えると、片倉はふっと意識を飛ばしてしまう。その直前に、久川の筋立った陰茎が熱っぽい体液が出てくるのを感じて、片倉は満足したように目を閉じた。

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