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第45話(第2章)
「逝くと、いい」
「あ…っ…っ」
そう言った瞬間、身体が痙攣し、彼の白い欲望が弾けた。掌に滴っている白い液体も彼のものであるというだけで、愛しく感じた。
彼の肢体を見詰めた。情愛を込めて。
シィツの白さに負けない、滑らかで白い肌や、胸の紅色が艶かしい。そして、熱い吐息を漏らす桜色の唇の濡れた感触も。全てが自分を魅了する。血液が沸騰するのではないかと思った。
その姿に、劣情の証が大きくなるのを感じた。
彼の呼吸が穏やかになるまで、じっと待った。絶頂に達した瞬間から彼はずっと瞳を閉じていた。ゆるゆると目を開く。霞がかかったような目をしていた。
堪らなくなり、身体全体を密着させた。当然、下半身も重なる。自分の状態が彼にも分かったのだろう。瞳が一瞬凍りついたようになった。
「お前の中で、繋がりたい」
耳元に欲情のあまり掠れた声で言った。彼の身体の強張りが溶けた。こくりと頷く。表情を確かめてみると、静かな決意を宿した瞳をしていた。
「腰を浮かせてくれない…か」
懇願するように言うと、素直に腰を上げ、しなやかな脚を動かして膝を曲げた。
彼の秘められた場所をそっと暴く。手が濡れているのが助かった。滑らかに指が動かせる。表情を確かめながら、そっと中心を探る。指を少し入れてみた。その瞬間、彼は両手で顔を覆う。しかし、それ以上の抵抗は無かった。
指に絡まる彼の体液のせいで思ったよりも抵抗がなく指が中に入る。中指が馴染んだのを感じると、人差し指も添えた。彼の内側は熱く、その熱に煽られるかのように指を動かす。時折彼の身体が跳ねた。
跳ねる場所を注意深く探っていった。自分ももう限界を感じては、居た…が。それを必死に我慢した。
ある一点を押すと、彼の身体がひときわ大きく跳ねた。
「あ……そ……っ」
漏れた声に驚いて彼を凝視する。
頬も熟れた桃の果実の色に染まっているのが掌の間から垣間見えた。下に視線を落とすと、彼もまた立ち上がっていた。先端から新たな雫を零している。
「入って、いいか」
確認している積もりだったが実は懇願だったのかも知れなかった。
「い……い……」
途切れ途切れの吐息混じりの声だ。
彼の両足の付け根に自分自身が辿り付けるようにするにはどうしたらいいのか、それが分からなかった。暫く躊躇っていた。力ずくは本意ではなかった。すると、それを察したのだろう、片桐は自分から脚を開く。
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