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この家はリフォーム済みの住宅とは言ってもごく普通の一軒家なので、風呂場も一般的な広さしかない。バスタブに二人で入ると、狭さを感じてしまうのは仕方のないことだ。しかし、海は必然的に密着せざるを得ないこの状況が気に入っているので、志鶴と一緒に風呂に入るのが好きだった。
志鶴に海が後ろ抱きにされるような体勢で、湯船につかる。全身を彼に包まれる感覚がたまらなくて、海はとろんと目を閉じていた。
彼の前では、体のすべてが敏感になる。彼に甘やかされる幸せをすっかり覚えてしまったので、体が勝手にその準備を始めてしまうのだ。そのため、こうして抱きしめられているだけで、体の奥がじゅわっと熱くなってきて、はやくベッドに行ってめちゃくちゃにされたくなる。
「海」
「んっ……」
名前を呼ばれると耳が感じてしまって、ぴくっ、と腰が揺れてしまった。おそらく、この反応だけで志鶴は悟っただろう。海が、自分に抱かれたがっているということに。志鶴はふっと笑うと、耳元でもう一度海の名前を呼ぶ。
「したくなってきた?」
「……!」
気付いてくれたことが嬉しくて、海は余計に体を熱くさせてしまった。こくんと小さくうなずけば、「可愛い」と囁かれてゾクッと体を震わせてしまう。
志鶴の手が、海の太ももをなでる。そして、するりと太ももの下に手を滑り込ませると、ぐいっと太ももを持ち上げた。そして海をがばっと大きく開脚させてしまう。
「しっ……志鶴さんっ……」
「脚、持って。このまま開いてるんだよ」
屈辱的なポーズに、海はかあっと顔を赤らめた。すさまじい羞恥心がこみあげてくるが、彼の前では恥ずかしいことすらも、嬉しく感じてしまう。いつも、恥ずかしいことをしたときは、より一層体を愛され尽くすからだ。
海は言われた通り、自ら膝裏を持って脚を開脚させた状態に固定する。これからどんな風に甘いことをしてくれるのだろう、そう思うと期待で胸が膨らむようだ。以前、淫らなをさせられ、たっぷりと体を愛されたときのことを思い出して、無意識に「志鶴さん……」と彼の名前を呼んでしまう。
「もう気持ちよくなっちゃった?」
「あ……」
志鶴がゆるりと、海の堅くなってしまったものを撫でた。まだ何もされていないのに勃ってしまったことが恥ずかしくて、海は顔から火が出そうになる。
「顔真っ赤だけど……恥ずかしいのが、好き?」
「ち、ちが……」
する……と志鶴の手が股に伸びる。そして、くにゅくにゅと窄みを揉まれたと思ったら二本の指でくぱっと開かれてしまった。
「あっ……やぁ……」
海も志鶴もこの体勢からむき出しにされた肉孔を見ることはできないが、感覚としてそこを拡げられていることはわかる。恥ずかしくてたまらない、それなのに。体の奥がきゅんきゅんと疼いて、起立したものがそれに合わせてぴくぴくと揺れてしまって、どんどん体が熱くなってしまう。
「あぁ……」
「恥ずかしいことが好きなんだね。可愛い」
「あ……」
ちゅ、と頬にキスをされ、海は蕩けきった声をあげる。これはいじめられているわけではない。彼がただ、海にとって一番気持ちいいセックスをしようと、海の善いところを探っているだけだ。つまり、恥ずかしいことをされると感じてしまうと彼にバレれば、これから先、たくさんこういうことをさせられてしまう。それを考えると、気が狂いそうになった。自分が男であることを忘れてしまいそうだ。
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