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「ン、ッ……」
「あっ、ぁあっ、あ……!」
ずん、と腰が揺れるのと同時に、彼の熱が最奥に到達したのを感じた。秘部全体に彼の腰がぴったりとあたって、包まれるような温かさを感じる。下半身が蕩けてしまうようで、本当に本当に気持ちがよくて、海は無意識に、結合部をねちねちとこねるようにして腰を揺らしてしまっていた。
「ぁん……、あぁん……」
自ら腰を揺らし悶える海を、志鶴は静かに見下ろす。背中に散る雫がつう……と垂れ、まっすぐな背筋を滑り落ちてゆく。吸い寄せられるように志鶴は海の背筋に口付けを落とし、れろ、と雫を舐めとるようにして舌を下から上へと滑らせて行く。
「は、ぁっ……志鶴さんっ……」
「海、……綺麗だ」
「ぁあっ……!」
手のひらを下腹部に這わせ、押し込んだペニスでなかをごりごりと圧迫する。もう片方の手で胸を撫でまわし、乳首を転がしてやる。海は今までに増していやらしい志鶴の責め方に感じてしまって、鏡に頭をこすりつけながら、蕩け切った声で喘いだ。
「あ……」
ふと瞼を開けると、鏡には恍惚とした自分の顔が映っている。こんなにいやらしい表情を自分は浮かべるのかと複雑な気持ちになったが、あまりにも気持ちよさそうなその顔に、自分の顔なのにどきどきとしてしまう。
ちら、と目線をあげれば、背後に映る志鶴の顔が見えた。海と目が合っている時には見せない――明らかな劣情を孕んだ瞳。今にも海を喰らおうとしている獣のような瞳。初めて見た、彼の中の雄としての本能。そんな強烈な本性を見せた彼の顔をのぞいてしまえば、海は脳天を貫くような強烈な興奮に穿たれた。
「あっ……」
ドクン、と全身が鼓動するような感覚。それと同時に、渦に呑み込まれてゆくような、すさまじい快感が体内で爆発する。ぶしゅ、とペニスから透明な液体が吹き上げて、全身の力が抜けてゆく。崩れ落ちないように鏡に縋り付くも滑るので、何度も手で鏡を掻いて、必死に体勢を保つ。
「……海、潮吹いたの?」
「へ……、しお?」
「……可愛い」
「――ッ⁉」
ズンッ、と勢いよく腰を突き上げられて、海は何が起こったのかわからなくなってしまった。視界に星が散って、はあはあと激しく息が上がる。その間にも、何度も何度も最奥をズンズンと突かれて、内臓がひっくりかえりそうになるほどの快感に狂わされそうになった。
「あっ、あっ、あっ、あっ」
肉のぶつかる音と女のように甲高い海の声が浴室に響く。まるで失禁しているかのような潮がどんどんあふれ出て、海は半狂乱になって喘いだ。
「しっ、しづるさっ、しづるさんっ、あっ、ぁうっ、しづるさんっ!」
「海、」
お互いの熱が交じり合う。激しく体を求めあって、頭のなかが相手のことだけになって、欲しくてたまらなくなって。彼とセックスをしている――ここまでその実感をできたのが初めてで、海は今までで一番感じて、興奮してしまっていた。
「しづるさんっ、もっと……もっと……! もっと、奥ッ……奥、突いて……!」
「はぁっ……、海、……すごい、……」
「あぁ――ッ」
ズンッ! と一番深いところを勢いよく突き上げられ、海はのけぞり、天井を仰ぎながら昇天した。志鶴は咄嗟に崩れ落ちそうになった海の体を抱きしめ、そのままぐぐっと限界までペニスを押し込んでゆく。
「あ……」
二人ともぜえぜえと息を切らしながら、静かに熱を冷ましてゆく。火照った体は密着し合うと心地よく、永遠にこのままで居たいと思ってしまうほどだった。
「志鶴さん……」
海は無性に志鶴とキスがしたくなって、ふらふらの状態で首を回し、彼の目を見つめる。そうすれば、志鶴は海の体を支えながら甘いキスをしてくれた。
体は落ち着いてきたのに、心臓の鼓動がとくとくと騒いで止まらない。キスを深めていけばいくほどに胸は苦しくなるのに、ずっとこのままでいたかった。
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