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「あっ……志鶴さっ……」
二人は腰をこすり合わせるようにして、腰を揺らす。海はすでに堅くなったものが濡れ始めていたせいか、それを志鶴の体にこすり付けるとぬるぬるとした感覚が走って気が狂いそうになった。それでもその感覚が気持ちよくて夢中になって腰を揺らしていると、志鶴が背中をつうっと撫でてきたので、つい甲高い声をあげてしまう。
「はっ……ぁんっ……」
「海……背中を、見せてくれ」
「あっ……志鶴さんっ……」
海は「背筋が好きだ」と言わたことを思い出し、かあっと顔を赤らめる。志鶴に誘導されるようにして志鶴に背を向けると、その瞬間に背中にちゅうっと口付けられたので、たまらずびくびくっと仰け反った。
「んっ……ん、ぅっ……志鶴さん、」
立ったままでいると、快感に耐えられない。海は何度も崩れ落ちそうになりながらも、必死に耐えた。がくがくと震える脚は無意識に内またになっていき、そそり勃ったものの先端からはぽたぽたと雫が零れ落ちる。
「綺麗だ……海」
「ぁッ……、志鶴さ、……待って……ベッドで、してぇ……」
「ごめん、もう少し……」
「あぁあッ……! だめっ……だめっ……志鶴さんっ……」
志鶴はあの発言のままに、海の背中がたまらないようで、執拗に海の背中を責めた。手のひらでねっとりと海の下腹部や胸を撫でながら、ちゅ、ちゅ、と音を立てて背中にキスを落としてゆく。今まででは考えられないくらいに志鶴の体が熱くて、そんな志鶴に情熱的に体を愛撫され、海は何度も小さな絶頂を繰り返した。びくんっ、びくんっ、と体が震えるたびに倒れてしまいそうになるが、それでも海は純情に耐え続ける。
「あっ……あぁあッ……それ、だめっ……、志鶴さんっ……あぁっ……イッちゃう……だめっ……」
「海……綺麗だ、海、……もっと、魅せて。海……」
「あぁあぁああ――……」
ぎゅうーっと乳首を摘ままれると、海はびくっ、びくびくっと射精をしながら絶頂してしまった。その瞬間、海がぐぐっと体を反らせ、志鶴の目に美しい海の背筋が映る。汗ばんだ背中に、すっとまっすぐな背筋が走っていて、そして肩甲骨の印影が艶めかしくて、思わず志鶴は見惚れてしまった。
「あっ……」
「おっと、……」
志鶴はぼんやりと海の艶姿に気を取られていると、精を全て吐き出した海ががくりと崩れ落ちそうになる。志鶴は慌てて海を抱きとめて、ぐったりとしている海の頬にちゅっとキスをした。
「海……」
「志鶴さん……」
海はぐっと背後から抱きしめられ、割れ目にごりっと志鶴の勃起したものが当たっていることに顔を赤らめる。しかし、まだ服を脱いでからそう時間も経っていないのに彼がここまで興奮しているのだと思うと嬉しくて、海は甘えるようにして何度も志鶴の名前を呼んだ。
これがセックスなんだ。お互いに求めあうことが、セックスなんだ――。
今まで感じていた虚しさが嘘のように、胸の中が彼への熱でいっぱいになる。はやく彼に抱かれたくてたまらない、はやくひとつになりたくてたまらない――……! あふれる熱は純情に、海を乱してゆく。
「しづる、さん……」
割れ目を志鶴のものにこすり付けるように、海が腰を揺らす。こんなことをしたら淫乱だと思われてしまうだろうかと、そんな不安も吹き飛ぶくらいに、志鶴のそれが欲しくてたまらない。ぐっと尻肉を志鶴の腰に押し付け、そのままずりずりと腰を上下させれば、志鶴の熱いものが割れ目をこすり上げてきて、たまらなく気持ちいい。
「立ったまま、しんどいんじゃなかったの、海……?」
「だ、だって……腰、勝手に……止まらない……志鶴さん……志鶴さんっ……」
志鶴が腕の力を緩めれば、海は途端に立っていられなくなってそのまま崩れ落ちてしまうだろう。それくらいに海はもうガクガクになっていて、立ったままでするのには限界があった。それでも海が求めてくるのが、志鶴にはたまらなく煽情的に映った。今すぐにでも突き上げてあげたい衝動をなんとか抑えて、海をベッドまで連れてゆく。
「んっ……!」
どさっ、と海をベッドに押し倒し、覆いかぶさる。その瞬間、海はぎゅっと志鶴に抱き着いて、キスをしてきた。志鶴も海の背中に腕を回し、ぐっと肉体を密着させながら、キスを深めてゆく。
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