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第21話

明希とセックスをする。そう思うだけで緊張し、ドキドキしてくる。 「……」 「……えっと、」 が、いざセックスをするとなると、まずは何をすればいいのか分からなくて。二人はお互い顔を見合わせ、硬直したまま苦笑した。 「……とりあえず、服、脱げばいいかな」 夏樹は明希に尋ねた。明希は少し固まって、そうだな、と答えた。セックスするのに服を着ているイメージがなく、お互い無言で服を脱ぎ始めた。明希の前で服を脱ぐなんて行為、今更どうとでもないはずなのに今日は無性に恥ずかしい。ちらり、と明希の下半身に目をやる。今からそれが夏樹の中に入ってくる、そう思うと、怖い気持ちとはやる気持ちとが夏樹の中に共存した。少しためらいがちに脱ぐ夏樹に対し、明希は手際よく上の服を脱いでいく。明希の裸を見るとドキドキしてしまい、目をそらしてしまった。 「夏樹、脱がないのか?」 「……ごめん、恥ずかしくなって。今更何言ってんだって感じだよな」 苦笑すると、明希はいや、と首を横に振った。 「緊張してるんだろう。それに、自分で服を脱がせるなんて、オレの配慮が足りなかった」 「え?」 明希はそう言うと、夏樹にそっとキスをした。唇が触れるだけのバードキスだが、それだけで不安が和らいだ気がした。 「夏樹はキスに集中するといい。服はオレが脱がすから」 「え? え?」 明希に服を脱がされるのもまた気恥ずかしい気がするのだが、ここで硬直していても何も始まらないだろう。こくん、と頷き、夏樹は目を閉じた。もう一度、唇が重なった。唇を食むようなキスにくすぐったさを覚える。もっと明希を感じたくて唇を少し開けると、するり、と明希の舌が入ってきた。つん、と舌の存在を確かめると夏樹の舌を絡めとり、気持ちのいい所を探り始める。 「ん、んぅ……」 ぞわぞわ、と背筋に快感が走る。目を閉じているせいで、余計に気持ち良さが増して、もうキス以外考えられなくなってしまう。 「ぁ、明希、」 するり、と明希の手が服の中に入ってくる。脇腹から背中あたりを這わせてきて、夏樹の様子を伺っているようだった。 「夏樹、キスに集中しろ」 「んんっ、ふ……」 容赦のない明希のキスに夏樹の思考は停止しかけた。肌を触れられているのも気になるが、今はキスの方にしか意識がいかない。そうこうしているうちに、するり、と服がめくられて、体半分が空気に晒された。 「夏樹、いいか?」 ダメなんて選択肢はなく、夏樹はこくり、と頷いた。明希に上の服を脱がされて、上半身が露になる。なんだか恥ずかしく、夏樹はチラリ、と部屋の照明を見た。 「ごめん、女みたいなこと言うようで恥ずかしいんだけどさ」 「なんだ?」 「電気、消してもいい?」 一瞬明希は固まって、だけど理解してくれたようで、部屋の電気を消しに行ってくれた。お互い上の服を脱いだだけだがなんだかいつもと違う感じがする。これからセックスするんだな、と思うと緊張が取れないでいた。

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