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第23話
明希の手が夏樹の下半身に触れるのを感じ、妙に緊張してきてしまった。
「先走りが凄いな」
「……言わないで」
そっと触れられているだけなのにそんな状態である己が恥ずかしい。
「あ、あっ……」
ゆっくりと明希の手が上下に動く。
時折夏樹のいい所を攻めながら、的確に刺激を繰り返す。
「明希、ごめん、もう……あっ!」
止めるのが遅かった。
明希の手の中にたっぷりと射精してしまった。
呼吸を荒げながら、ごめん、と夏樹は明希に謝った。
「別に構わない」
ティッシュで手を拭う明希に罪悪感を覚えながら、だけど気持ち良くて、ベッドに背を預けたままその余韻に浸っていると、夏樹、と名前を呼ばれた。
「続き、してもいいか?」
続き、と言われ、どくん、と鼓動が高鳴った。
「男同士のセックスって、……どうすんの?」
「それは、」
「ちょっと、明希!」
明希は夏樹の両足をひょい、と持ち上げ、明希の肩に乗せた。
そして、夏樹の尻孔にそっと触れた。驚いて体が硬直した。
「ここを使う」
「えっ……だってそこ、出すところ」
「ああ。そこに、入れるんだ」
明希の、小さいとは言えないそれを、尻孔に挿入する。
一気に怖くなってしまった。そんなところにそんな太いものが入るなんて思えないし、絶対痛いだろ、と思ってしまった。
「少しずつ慣らすから」
「な、慣らす……?!」
明希はこくり、とうなずいて、自分の指を舐め始めた。
その光景が扇情的で、思わず生唾を飲み込んだ。
「オレも初めてだから、手際がいいとは言えないが、」
つぷり、と人差し指が挿入され、ひっ、と声をあげてしまった。
何とも言えない感覚が夏樹を襲う。
「痛くならないよう、最大限努力はする」
「……お願いします」
怖い、けど、明希と繋がりたいという気持ちは薄れていない。
これが必要な準備というのなら、耐えるしかない。
「目、閉じてていいから」
「うん……」
夏樹は頷き、両腕で顔を覆った。
期待と不安が入り混じった感情に、夏樹は押し潰されそうになっていた。
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