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【⠀好きです!!と言えばこっちを向いてくれますか?】SIVA

side:信親(のぶちか) 彼はいつも校舎から離れたプールが設置されてる場所の近くに植えられている大きなクスノキの下で本を読んでいる。 俺はそれをフェンス越しに見た時衝撃を受けた。 なんていうんだろう。ビビッと来たっていうか、雷が脳天に落ちてきたみたいな……そんな感じ……いや、分かりずらいな。それだけ自分でもどう表現したらいいのかわからないんだ。 木陰がいい感じに彼に降り注いでいてクソ暑い日なのにそれを感じさせないクールな眼差しで本を読み続けている。 彼が自分より先輩で、運動が苦手だとわかったのは数日前に行われた体育祭だった。 彼は真っ白い肌で首回りが青い体操着を着て真っ赤な顔をしてグラウンドを走っていた。 青い色は一学年上の生徒の色。つまりは三年生。 彼の必死に走るその姿を見て心臓がドクドクと体を揺らすのを感じた。 この時もしかしたら少し勃ってたかもしれない。それくらいに興奮したのを覚えてる。 周りの人に聞き込みをして何とか名前だけはわかった。 『ウラベサトル』 名前を聞いてすぐに駆け出した。 先輩に話しかけたい。先輩と話がしたい。 「ウラベせぇんぱぁい!!!」 タオルで首の後ろを拭き足を少し引きずりながら歩いている先輩を見つけ大きな声で呼びかけた。足を引きずっているのはさっきの200メートル走の最後で盛大にコケてたから。 気が利かない俺!絆創膏くらい持ってくればよかった。 「先輩っ!」 もう一度呼ぶとぴたりと足を止めた先輩は、タオルを首に巻いたまま振り返った。その姿がエロくてまた()った。 思春期の俺には先輩の所作全てに反応をしてしまう。 「誰」 素っ気なさも最高だ。 走ってきたから息が少し上がった状態で先輩と向き合った俺はどうしてかこの時――――― 「好きです!!!」 こんな唐突に告白をしていた。それも他の生徒たちがいる前で、だ。男子校じゃない普通高校で、女子がたくさんいるのにも関わらず俺は男子に告白した。 周りはもちろんざわつくし、告白をした張本人である俺も言った後から驚いた。 「あ、え、っとぉ……好きっていうのはつまり……」 言い訳を考えても"好き"と言う以外ないから当然俺は「つまりそう言う事です!!!」ときっぱり言い切った。 で、また周りはざわついたわけで先輩を完全に困らせてしまった。 これがつい先日の話。 水泳部の俺はフェンス越しにクスノキの下にいる先輩を見ていた。 *** side:(さとる) 「信親!もっとペースあげろ!後半落ちてるぞ」 プールサイドから大きな声が聞こえる。 夏になると賑やかになるプールサイド。 水泳部は夏の大会に向けて勢いを増している。 プールから上がった一人の男子生徒はゴーグルを外しながらフェンス越しのこちらに視線を向けてくる。 絶対に彼だ。 体育祭で突然の告白を受け、当然の事だが断った。 どうして男子に告白をされないといけないんだ。しかも終盤に大コケをし大失態を犯した200メートル走の後にだ。 目を輝かせて前のめりで言う状況じゃない。 「なんで僕の名前を知ってるんだ」 手に持つ小説の内容が全く頭に入ってこない。 僕は彼の名前を知らないと言うのに、体育祭が終わった次の日の放課後正門の前で彼がいた。 小麦色の肌が特徴的なその人は僕の姿を見つけた途端顔の周りに花が咲いたように目を輝かせて大きく手を振ってきた。 勿論僕はそんなのを無視して彼の前を通り過ぎた。 確かこの時も小説の内容が頭に入ってこなかった。彼がいると、彼の事を考えていると本がただの紙になる。 「せぇんぱぁい!!」 プールサイドから声が聞こえるのを無視して本に視線を落としたまま思案する。 どうして僕に構うんだ。 "好き"ってなに? ページは捲るもののまた内容は頭に入ってこない。 「先輩?」 あいつの声が近くで聞こえ思わず眉がピクリと反応してしまった。でも、ギリギリのところで、本から視線は離さなかった。 「せぇーんぱい」 今度は少し甘い声で呼ばれいよいよ視線を上げてしまった。 彼は目を輝かせ無言で大きなガッツポーズをしている。ホントに調子の狂う奴だ。 で、いつの間にか本を読む時間が減りこいつと話す時間の方が増えていた。 『先輩一緒に帰りましょう!?』 と言う言葉に何度断りを入れても勝手についてくるし、『先輩今日こそプールサイドで本読みませんか?』と言う誘いを何度断っても同じ質問を繰り返してくる。 いよいよ面倒くさくなって『わかった』と言ってしまいそうな自分がいるのが不思議だ。 *** side:信親 「今日もあんな所にいる」 「信親(のぶちか)、おい聞いてんのかっ」 コツンっと頭を叩かれ前を向いて「後半のペースですよね。今日はちょっと配分間違えちゃいましたけど、本番は大丈夫です」 「……お、おぉ。お前がそう言うなら先生は心配はしてないが、最近よそ見する時間が増えてないか?」 教員も俺が見ていた方を見ようとするけど、その前に立ち向こう側が見えないようにした。 「今日は塾あるんで帰ります」そう言って俺はフェンスに掛けてある夏空のような青いタオルを取って首に巻いた。 ちらりとクスノキに視線を向け思わずフェンスを掴んで声を上げた。 そのまま更衣室のドアを勢いよく開け、その間にスクール水着を脱ぎロッカーに走った。 誰かいたらなんてこの時は考えもしなかった。 ただ急いで着替えて追いかけないといなくなってしまう、そればかりが思考を支配していた。 早く切り上げたつもりが、いつの間にかクスノキの下には誰もいなくなっていてはるか遠くの正門に小さく見える先輩の後姿を見た瞬間“追いかけて声をかけないと”と言う気持ちが先だった。 Yシャツのボタンをかけ違えてた事はあとから先輩に突っ込まれたけど、持ち前の運動能力を発揮して自転車置き場まで全力で走って、のっけから立ちこぎ状態で学校を出た。 先輩の後姿を視界にとらえる事が出来た時乗ってた自転車を捨て置き勢い余って後ろから抱きしめてしまった。 前のめりになった先輩は俺の勢い余ったハグにより手に持ってたバッグと本を盛大に前に投げよろめいた。 「先輩みぃっけ!!」 「……」 何も言わない先輩の横顔を見るため顔を近づけた。 「せぇんぱいっ?」 フルフルと体が震えているのは気のせいか?先輩をハグしたまま首を傾げていると先輩の両手がバッと開いた。 その拍子に俺の腕や体は先輩から離れ数歩後ろへ下がった。 息が上がってる先輩。 両手を広げたまま動かない。 「せん、ぱい?」 「なんっ……」 え? 先輩が何を言ったか聞こえなかったけど、顔を上げた先輩の顔が真っ赤になっているのが分かっただけで俺は嬉しくなってまた先輩に飛びついた。 「わぁっちょっ―――――」 「えっ!?」 先輩は思わぬ俺の行動に体の力を入れ忘れていたのか足元がぐらついた。 よろよろとしながら前へ進み、俺は先輩に抱き着いてるからそのまま一緒になって前へ進んだ。 「せ、せんぱいぃぃ……」 このままでは先輩の顔面が地面についてしまう!でも今俺が手を離せる状況ではない。 ここは俺が踏ん張って…… 「!!」 と、思ったけど思いのほか先輩の方に体重がかかっていたようで結局二人で転んでしまった。 見上げる先輩を見下ろして興奮しないわけがない。 「せ、先輩……」 顔を近づけこのままキスしちゃおうと思ったけど見事に拒否られ撃沈した。 ズボンの奥で勃ったそれを先輩の股間に擦りながら「先輩俺もうこんな……」 「ばっ!なんで擦り付けてくるんだ。やめろ」 「気持ち悪いって思われてもいいっす。でも俺先輩を見ただけで勃起しちゃうんです」 「……」先輩は言葉を詰まらせた。 思春期の男を舐めんなよぉ。 「先輩も一緒だと嬉しいっす」 「お、お前を見て勃つわけないだろ」 「でも先輩のも少し膨らんでる」 股間を押し当てていると少しずつだったけど、先輩のも勃起し始めててそれに俺は余計と興奮した。 「もう、いい加減にどいてくれ」 低い声で言われこれ以上はまずいと判断し、仕方なく離れた。 そのあとからは全く会話がないまま家路についた。 帰り際に『いきなり抱き着くとか意味わかんない』なんて言われたけど、先輩が声をかけてくれた事の方が嬉しくてつい「可愛いから」なんて言ってしまった。 *** side:悟 最悪……。 絶対に許さない。 ズボンが破れたらどうしてくれるんだ。大事な本が傷ついたらどうしてくれる。 なんでいきなり抱き着いてくるのか理解が出来ない。 もうマジで何なんだこいつ。 口が悪くなるくらい心で悪態をつきながら姿勢を変え目の前の小麦色の顔を黙って睨みつけた。 「大丈夫先輩!??」 僕の心の悪態と表情とは裏腹に目の前の男子は眉を下げながら心配そうに僕を見つめてくる。 ……最悪だ……今、ほんの少し自分の心の悪態が悪い事をした気になった。 自分の勃ち上がったものを押し当てながら興奮してると言われ驚いた。そう言われてどうして自分のモノが反応したのかわからない。でもこれ以上はまずいと思った僕は、低い声で拒否をした。 僕は黙って彼から離れ立ち上がろうとするも「手……貸してください」なんて言われ素直に手を差し出し立たされた。 なんで手を差し出してしまったんだ? いつの間にか彼のペースに持っていかれていた。 また犬のように尻尾が見えた気がした。 目をつむり小さく首を振り彼に背を向けた。 ……あれ、絶対に許さないって、なんで思ったんだっけ。 「ってか、いきなり抱き着くとか意味わかんないから」玄関の前で一言言った。 そうだ。これは公然わいせつだ。しかも突然―――――。 ようやく声を出した僕に何故か彼はほっとした表情を見せた。 「す、すんません!!だって先輩があまりにも可愛くて」 可愛い要素は一つもない。 僕が何をした。 黙って彼を見上げた。 「だって先輩俺の顔を見て顔を真っ赤にさせるとか可愛すぎじゃないですか」 顔を赤らめた? 僕が? んなわけ――――― 数分前の自分を思い返した。 「あ、あ、あれは君が突然抱き着いて来たからだろ」 「えぇ。そんなに俺のハグが嬉しかったんですか?」 「は?」 照れるようなしぐさを見せている目の前の男の思考はどうなったらそうなるのかわからない。 なんで照れるんだ、誰も嬉しいなんて言ってないし……でも、嫌だとは思わなかった―――――。 じゃない!!! *** saide:信親 先輩と距離が縮まった気がして学校に行くのが毎日楽しくなってきた。 きつい部活の練習もフェンス越しに見える先輩が俺の支えになった。 先輩をもっと近くで見ていたい、そう思うようになって数週間、部活帰りに先輩に話をしてみた。一緒に帰るくらいは距離は縮まっている。 「先輩?プールサイドで本を読んでたら?」 「水泳部でもない部外者がプールサイドに行けるわけないだろ」 「いや、別に何もしないならいいんじゃないっすか?」 「水泳部の顧問は煩いだろ」 思案する俺の横顔を睨みつけながら「あの木の下がちょうどいいんだよ。別にプールサイドじゃなくてもいい」 「日陰あるのに。俺、先輩を近くで見てたいし、先輩がいるだけでタイム縮まるんすよ!!」 「そ、そんなの知らないし」 視線はいつも本に向けられてるけど、たまに顔を上げて俺を見てくれているのは知っている。 でも、俺が視線を合わせようとするとすぐにそれは離れ本に向けられてしまう。 それを何とかしたい。 先輩ともっと距離を縮めたいんだ。 「好きです!!!」 「なっ!???なんだよいきなり。やめろぉ」 先輩は辺りを見回し怒った顔で俺を見た。 「あっはは。やっと目が合った」そう言われた先輩はハッとした表情を見せ視線を下に向けた。 もっともっと言おう。 好きだって。 別の日。 先輩の事を考えていると一日はあっという間に過ぎていく。 授業も部活も、学校にいる時間がこんなに早く過ぎていく事なんてなかったのに、学校にずっといたいって思う事なんてなかったのに、先輩と言う存在はめちゃめちゃ大きい。 廊下を歩きながら先輩がいるんじゃないかって思ってキョロキョロ辺りを見回してみたり、昼休みにはあのクスノキで本を読んでるんじゃないかって思って見に行ってみたり……。 まぁなんだ、俺はほぼストーカーっぽい事をここ数週間している事に気が付いた。 「はぁ……先輩……先輩に会いたい」 机に突っ伏して先輩の事を考えているとズクンッと下腹部が疼くのを感じ、体を勢いよく起こした。 (やば……) 周りに気づかれないようにそっとズボンの上からそっと触ってみるもやっぱり少し勃っているのが分かった。 午後の授業はもう少しで終わる、この後は部活に行くだけだ。 そう思って静かにモノが納まるのを待った。 (あぁ……先輩を押し倒してキスしたい。触りたい……触ったらエッチ……) そこまで考えて大きく首を振った。 「イヤ!俺!なんて事考えてんだ!!」 授業中に一人大きな声を上げ爆笑された。 ホームルームも終わり急いで部室である更衣室に向かった。 今なら絶対いいタイムが出るだろう。 「ストップウォッチお願いっ!」近くにいた部員にストップウォッチを渡し計ってもらう事にして急いで支度を終わらせプールに飛び込んだ。体に水をなじませてから一度深く潜り浮上する。飛び込み台の端に指をかませ「行きます!」と声を上げて体をぐっと曲げ思い切り飛び込み台を蹴り上げ飛び込んだ。 (よしっ) 何となくいい感じだと思った。 力いっぱい腕をまわし、3回に1回のペースで呼吸をして50メートルの壁が見えクイックターンに入る。 (タイミングもバッチリだ) 良い感じで折り返し残りを泳ぐ。 後半でも腕を回す力もバタ足も疲れ知らずでスタートと変わらない速さで行けている。 (これは行けるっ!) 先輩が傍に居てくれればもっといいはずだと思っているうちに、ゴールのタッチをしていた。 「ぷはっ!!」 勢いよく顔を上げ飛び込み台の上にいる部員を見上げた。 「す、すごいです!!」そう言ってストップウォッチを見せてきた。 *** saide:悟 今日はあいつの姿を見ないな。 待て。どうして僕は今あいつの事を考えたんだ。最近は毎日のようにくっついてくるからそれが当たり前になりつつあったけど、今まではこれが通常だったんだ。 あいつの事を考える事なんてないんだ。 一呼吸を置いて、リュックから本を取り出し手に持ってから教室を後にした。 今日はクスノキに行くのはやめて何処かで落ち着いて本を読もうか。 パラパラと本を捲りながら階段を降り靴を履いた。 バシャンっとプールから水しぶきが舞う音が聞こえた気がした。 遠く離れてるプールだから聞こえるわけがないと思いながらも自然と足はそちらに向いていた。 靴と靴下を脱いでプールサイドへ向かった。 (今日は部活はないはず) そう思いながら人工芝に足をつけた瞬間飛び込み台を思い切り蹴りプールに飛び込んでいく小麦色の肌をした背中が見えた。 僕は初めて、あいつが飛び込んでいく瞬間を見た。 何時もは誰ともわからない水しぶきの音を聞いていただけだったのに、今目の前であいつが飛び込んだのを見た瞬間全身の毛が逆立った。 (綺麗なフォームだ) 運動が苦手な僕でも分かった。 ストップウォッチを持っている部員が一人あいつが泳いでいるのと並行してプールサイドを歩きながら「先輩!そのペースじゃ後半が持ちませんよ!」と大きな声を上げていた。 見ればしょっぱなからずっと飛ばし続けている。 どうしたんだろう。いつもあんな風な泳ぎ方をしているのだろうか。 一歩、また一歩近くに歩いていき様子を伺った。 「ラスト!!!」 声を上げてる部員は興奮している。泳いでいるあいつと部員を交互に見ながらゴールを待った。 飛び込み台を跨ぎながら部員がストップウォッチを押した。 あいつがゴールした。部員はストップウォッチをプールの下に掲げながら興奮している。 プールの中からは「うぉぉ!!!!!」と言う声が響いた。 「自己新じゃないですか!?これ」 「そうだな!うん!やっぱり今日はいいタイムが出ると思ったんだ。あぁ。先輩がいてくれたらもっといいタイムが出ると思うんだけど……」 「先輩?」 「あぁ何でもない!ありがとうな!」 部員はあいつに頭を下げて離れていった。その時僕の存在に気が付き目を丸くしながら去って行った。 プールサイドに上がってきたあいつは満足した顔をしている。フェンスに掛けてある夏空みたいな真っ青のタオルを首に掛けながらゴーグルと帽子を取った。 「え……」 刹那、何処から出たんだって感じの声が漏れ思わず僕は笑ってしまった。 「いいタイムが出たみたいでよかったな」 日陰に隠れながらボソッとねぎらいの言葉をかけた。あいつは見る見るうちに表情を変え最終的に顔をタオルで隠してしまっていた。 *** side:信親 タオルで顔を隠してたけど、もうどうにも気持ちを抑える事が出来なくて勢いよく先輩の所まで走り先輩を押し倒した。 パサッと音を立てて先輩の手から本が地面に落ちた。 泳いだ後で髪の毛から雫が滴り、先輩のYシャツや顔にポタポタと落ちる。 「先輩……」 首筋に顔をうずめ囁くと先輩の身体がビクッと跳ねるのが分かった。 「な、何してんだ……」言うほどに抵抗なく俺は「俺、先輩のこと考えてたらキスしたいし、触りたいし、そしたらそれ以上の事もしたくなっちゃって、それで泳ぎに来たんっす」と続けた。 「は?キ、キスって僕は男だ!それでなんで泳ぎに来たんだよ」 「はい。分かってますよ。んーなんて言うんっすかね。気を落ち着かせるためって言うか先輩の事考えてたら勃っちゃって、ははは」 「なんっ─────「俺には先輩がキラキラ輝いて見えたんっす」 「は、はぁぁ??」 「先輩、お願い……ここで抜かせて」 「なにいっっっんんっ!!」 有無を言わせず口を塞いだ。で、キスしたまま先輩のズボンに手を伸ばしてベルトを外した。 流石に抵抗をみせる先輩の手を片手で抑え込みキスしたままズボンを下ろした。 「やめろっ!誰か来たらどうすんだっ」 「大丈夫。今日は部活無いからさっきの後輩はもう戻ってこないっす」 「誰かに見られるだろ」 「ここは誰にも見えません」そう言ってまたズボンを下ろしボクサーブリーフの上から先輩のモノを握った。 「っぁっ」 先輩が反応した。 おれはパンツをズラし先に勃った自分のモノと先輩のモノを合わせた。 「っぁぁ……先輩っ」 自分のモノの先端から先走りが垂れそれが互いのモノを濡らしていく。 「一緒に擦らせて」 「っんんっや……ぁっ……やだ」 言うわりに先輩の顔は赤らみ息が上がっている。 素直じゃない先輩の顔をもっと歪ませ、喘いだ声を聞きたいからゆっくりとした手つきをやめ少し早めてみた。 先走りが潤滑油の役目をはたしてくれスムーズに手は上下する。 「あぁっさいっこう……せん、ぱいっ」 「ぁぁっ、やだ……やめ……こ、こんなのっ……や、だっあぁっ」 「先輩、可愛い。もっと声出して」 言うと口をつぐみ顔をそむけてしまう。そむけた首筋がエロ過ぎてキスをして少しキツく吸い上げた。 「いっっ……」 「へへ。キスマーク付けちゃった」 トロンとした上目遣いで俺を見る先輩。 (やばすぎ……) 「っあぁっ先輩、俺イキそう」 「あっっうっっ」 俺がイク前に先輩の方が先に白濁が垂れた。 「もう少し、待って……」 素早く動かし程なくして俺もイッた。 二人分の白濁が先輩の白い腹部に飛び散っている。 俺はそのまま倒れ込み先輩の上に覆い被さった。 「っお、もいっ」 「はぁぁ幸せっす」 「……最悪だ」 「気持ちよかったっスね」 「不覚……」 先輩は両手で顔を隠してしまってブツブツ何か言っている。 「せぇんぱいっ」 ぎゅっと抱きしめ「好きです」と言ってみた。 「ぼ、僕はまだ言わないぞ」 「あっはは。じゃあ今度エッチしましょうね?優しくしますから」 「エッ……しないっ!絶対しない!」 「秘密のエッチ、しましょ?」 「だからしないって!!」 (男同士何てどうやって……) 「あ、先輩今男どうしてどうやってするんだって思ってます?」 ビクッとまた肩が上がった。この感じは図星だ。 「大丈夫。ちゃんと調べておきますから!」 先輩とプールサイドでこんな事して今日の夜が寝られるかどうか。 先輩のいろんな顔を見たくなった。 ……fin. *** お・ま・け 先輩と何となくそういう関係になって数週間。水泳部の大会は目前だけど先輩と過ごせない日々はあり得ないから、毎日毎日先輩を追いかけまわしているのは相変わらずで……。 「ねぇ先輩?今日は何の本を読んでるんですか?」 「……」 今日も今日とて先輩はクスノキの下で本を読んでいる。でも、他の部員がいない時はプールサイドまで来てくれるようになった。 「先輩?」 「んー?」から返事の時は本に集中している時。こういう時は「先輩、好きです」と言って振り向かせてからキスをする。 「!!」 先輩の顔は今日も真っ赤になり僕の下半身は元気に勃起する。 「先輩、先輩。今日はうちでエッチしましょうね」 先輩の隣に腰を下ろしてぴったり寄り添う。 「暑苦しい。勃ったそれを押し付けるな」 「えぇだってもう先輩を抱きたくて今すぐにでもまた押し倒してエッチしたいんです!思春期なんです!俺!」 「い、意味わからん!!」 と言う感じの毎日を過ごしてます! …ホントにfin.

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