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「どうするんだよ。したいのか、したくないのか」
覆いかぶさって手を押さえつけたままで嫌がられるとだいぶ犯罪的な絵面だから、さっさと答えを出してほしい。こういう時に素に戻るほど間抜けなこともないし。
「……したいに決まってんじゃん。わかってんでしょ」
とにかくはっきりしろと見下ろしたまま問うと、環はほんの少し躊躇った後に気持ち視線を下に落とした。つられてその視線を追えば、環のモノが痛そうなくらい硬くなってるのが、服の上からでもわかった。今さっき出したばかりだというのに反応しているということは生理現象というよりかはこのシチュエーションによるものだろう。
つまり、どうやら結局は望みの展開に興奮しているらしい。
回りくどい奴だなと一つでかめのため息を吐いて、それからまた気持ちを作るために肘を折って環の首筋に噛みついた。すっきりした長めの首筋は、仰け反られると妙な色気を醸しだす。唾を飲み込む時に動く喉仏が色っぽいなんて、こんなことにでもならなかったら絶対思わなかったことだ。
「んっ、あ……優ちゃん、嫌だったらやめていいから」
「それは俺のセリフだろう」
なんで受け身の立場のお前がそれを言うんだ。
首筋に舌を這わせながら服の上から硬くなったそこをなぞってやったら結構やばそうだったから、早々に下を脱がせて直で触ってやった。さっき一回出したってのに、若さってのはすごい。……いや、俺だってそこまで年は変わらないんだけど。
「や、やばい、優ちゃん、俺……っ」
「ん、わかってる」
このまま放っておくのは可哀想だから、強めに擦ってさっさと解放させてやった。短時間に二度も出したからか、環の息はなかなか整わず、体からはすっかり力が抜けて切っている。
普通こんな状態の男なんて見たくもないだろうに、元の顔がいいからか環には変な非現実感があって嫌悪感は少しも湧いてこない。それどころか暴きたい欲が強くなって、残っていたシャツを脱がしてベッドの下に放る。
すべてを晒すことに抵抗はないのか、ベッドの上に投げ出された環の体は『美術品』というのは言い過ぎかもしれないけれど、それでも写真とか絵とかに目覚めそうな裸体で。頭の奥の方で警報音が鳴った気がしたけれどあえて無視した。
「優ちゃん、なんかすげー男っぽい……」
「うるせぇ。元からどう見ても男だろ俺は。それよりこれ敷いとけ」
どこか呆けた様子で呟く環に適当に応え、手を伸ばしてベッド下の引き出しからタオルを取ると環に放って、俺は俺で準備を整える。
もたもたと自分の体の下にバスタオルを広げて敷いた環に垂れるほどにローションをかけ、指にはゴムをかぶせて準備完了。
「うわっ、ちょっ……!」
「力入れんな」
今さら戸惑う環の足を抱え上げると、ローションでどろどろのそこに指を突っ込んだ。場所が場所だけにさすがに少し躊躇したけれど、入れてみると意外と平気そうだったから慣らすために手早く抜き差しをして具合を確かめた。
さすがにきつい。ローションのおかげで滑りはいいけれど、果たしてどれだけ慣らせばこんな狭いところにモノが入るのか。……別に自分のものがでかいと言っているわけじゃないけど、それでもこれはさすがに少し無茶だ。
本人は焦れったいかもしれないけれど傷つけたいわけじゃないから、少ししてから指を二本に増やして環の様子を見ながら事を進める。萎えたままだし、さすがにこれだけじゃ気持ち良くはなれないのか。とはいえ胸があるわけじゃなし、平らな体のどこを愛撫して気持ちいいものか悩む。
「……っ!」
そんなことを考えながら動かしていた指がある地点に触れた時、ぐぅっと環の下っ腹がうねるように反応して、緊張したようにつま先に力がこもった。
思わず洩らしてしまった吐息を隠すように口を押さえているけど、反応が顕著すぎて誤魔化されてやることもできない。
どうやら男でもちゃんと良くなれるポイントがあるらしい。
「……ゃ、あ、優ちゃん、それ、知っててやってんの?」
「知らないけどわかる」
そういうことなら、とそこを集中的に責め立てたら、環から泣きそうな声が飛んできた。
見れば顔とか耳が茹ったみたいに真っ赤になっている。呼吸は乱れてるわ、またゆるりと男の印が勃ち上がりかけてるわで、どういう状態なのかは一目瞭然。環はこれが気持ちいいようだ。
素直に声を上げられず悶える環にS心が刺激されたけど、今はひとまず置いといて。ひたすら指を広げるように動かし、かなり雑とはいえ慣らすことは出来た。
それを確認した俺は、指に嵌めていたゴムを捨て、新しいものを自分自身につけた。ありがたいのか悲しいのか、環の痴態のおかげでわざわざ刺激する必要はないくらい俺のモノも十分に反応している。
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