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伊織の近況

竜太君の家で俺の入学祝いをしてもらった。 まさか周がいるとは思わなくて、ちょっとびっくりした…… あんななりで、お袋や親父と仲良くなって楽しそうに話してんだもん。 やっぱり周って変な奴。 俺はこのまま家に泊まる事になり、竜太君が先に風呂へ行く。 待ってる間に、周に恵里(えり)と付き合う事になった事を報告した。 恵里っていうのは俺の幼馴染。 ずっと喧嘩ばかりで仲良しだったわけじゃないけど、いつも一緒にいた幼馴染。でも、五年生の時に恵里が他のクラスの奴に告白されたって聞いて凄え焦ったんだ。俺、恵里の事好きなんだ……って、この時初めて気が付いた。 でもいつも喧嘩ばかりだし、俺の事を異性として見てもらえないんじゃないかって不安だったんだ。 そんな時、周が「大丈夫だ!」って俺の事励ましてくれた。 だから俺、勇気出して告白出来たんだ。 周に聞かれたから答えたけど、本当は俺から周に報告したかったんだよ。 ……応援してくれて嬉しかったから。 周に言うと、まるで自分の事のように喜んでくれた。 ちょっと調子に乗って、こないだ手を繋いだ事も話してしまった。 言ってから恥ずかしくなっちゃったけど。 でも、周は俺のことを揶揄う事なく「お前やるじゃんか!ドキドキすんな! いいなぁそういうの」と、そんな風に言ってくれた。 いいなぁって…… そんなの竜太君とだってラブラブなんだろ? 俺は周と初めて会った時、周から竜太君と恋愛という意味でちゃんと付き合ってるって聞かされていた。 男同士で不思議だったけど、周の事を見る竜太君の表情を見ていたら納得だった。 「周と竜太君だって手ぐらい繋ぐだろ?」 「そりゃ繋ぐぞ……てか、公衆の面前では男同士だから控えめにしてっけど。それにもうそれ以上の事してるし」 ドヤ顔で周がそう答えた。 それ以上の事? どんな事? 俺は思わずそんな周に食いついて、今この胸の中にあるモヤモヤした思いを吐き出してしまった。 手、繋いだんだからさ…… 次はキス、したいじゃん? でも、タイミングとかわからないから…… だから…… ちょっとだけ、どんなんだか聞きたかっただけなんだ。

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