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レクチャー

何を思ったのか、周が俺に実践してきた。 「彼女、伊織より小せえんだろ? ほら……こうすると自然に肩、抱けんじゃん」 いきなり肩を組まれ凄く顔を近づけて喋るもんだから、変にドキドキしてしまった。 だってさ、周ってよく見ると綺麗な顔してんだもん。男から見てもカッコいいのがわかる。 でも別に俺、竜太君じゃないから周になんかキュンキュンはしないけど、でもこんな不意打ちされたら誰だってドキッとするだろ? それにこんなとこ竜太君が見て誤解してしまったら、たまったもんじゃない! 周ってほんとバカなんだな。 「わかったから! マジで何なの?……すげえ恥ずかしいじゃんか! 近いんだよ! もー!」 怒りながら周から離れたら、なんか不満気に俺を見たけど信じらんねえ。そんな事をしていたら竜太君が戻ってきた。 あ……ほらやっぱり。 竜太君、少し訝し気な顔してる。 周が俺に風呂どうするか? って聞いてくれたけど、すぐに竜太君に怒り口調で先に行けって言われてしまい、俺はそそくさと風呂へ向かった。 竜太君、怒っちゃったかな。変な誤解してなきゃいいけど…… 脱衣所で服を脱ぎながら気が付いた。 慌てて出てきたから、着替え部屋に置いてきちゃったじゃん。 めんどくせえな。周のせいだ。 でもどうしようかな…… ちょっと迷ったけど、とりあえず着替えがなきゃ困るし取りに戻ることにした。 戻って部屋を覗く。そこに見えたのは周に押し倒されている竜太君の姿だった。 あ……! これからキス……するのかな? 見ちゃダメだって思ったけど、俺はこの場から動けなかった。 周が竜太君にキスをするのかと思ったら、ふと顔を上げこちらを見た。周とバッチリ目が合ってしまった。 ヤベ…… 怒られる? でも俺の方を見ても、周は見てろと言わんばかりにそのまま行為を続け、竜太君の頬に軽くキスをした。 うわっ…… どきどきする。 すると竜太君の方から周の腕を掴んで抱きついた。 よく聞こえなかったけど、竜太君が周の耳元で何かを囁いている。 「………… 」 「俺とキス……したい?」 周がニヤッとしてそう言うと、今度は唇を合わせて大人のキスを交わした。 うわっ! うわぁ! うわぁ……! ヤベっ……なんかムズムズしてきちゃった。 いつまでも舌を絡めながらキスをしている二人から目が離せずにいると、竜太君がジタバタし始めた。 どうやら俺が戻って来たら大変って言ってるみたい…… もう戻ってるんだけどね。 やっとキスをやめた二人が、今度は向かい合って座る。 周が竜太君の顎をクイっと指で持ち上げて、またキスをした。 竜太君……真っ赤な顔してる。 ……可愛いな。 小鳥が啄むように、チュッチュッ……と唇を合わせてる。 あ……こういうのなら、俺でも出来そう。顎をああやってクイっとするのか。 いつまでもチュッチュしている周の頬を、竜太君が両手で押さえてやめさせた。 「もう! だから伊織が戻ってきちゃうから…… 」 ごめん……竜太君。 「いや、伊織もうとっくに戻って来てるし……」 周の言葉に、竜太君が恐る恐る振り返る。 俺と目が合うと、口をあんぐりとあけたまま竜太君は固まってしまった。

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