42 / 377
また二人で一緒に…
キラキラ賑やかに僕らの前をパレードが通過していく──
背後からの周さんの体温にドキドキする。
横を見ると、恭介さんと春馬君も仲よさそうに並んでパレードを見ていた。
「周さん、心配かけちゃってごめんなさい」
僕は背後を振り返り、はぐれてしまった事を周さんに謝った。
「いいよ……俺もはしゃいじゃってちゃんと竜太を捕まえてなくてごめんな。足の靴擦れも、気付いてやれなくて本当ごめん……」
ギュッと周さんが抱きしめてくれる。
「周さん謝らないで。今日も一日凄く楽しかったです。最高の思い出…… 」
目の前をこちらに手を振りながら通り過ぎるキャラクター達に、僕もすかさず手を振り返した。
すると周さんが僕の耳元に顔を近づけ、僕を抱きしめる腕に少しだけ力を込める。
「竜太……俺たち、出会って付き合い始めてそろそろ一年になるな。こんな俺と付き合ってくれて本当ありがとう……これからもずっと一緒にいてくれ」
え?……周さん
僕は振り返り周さんの顔を見ると、赤い顔をした周さんが僕を見つめていた。
「はい、勿論です。周さんも僕のそばにずっといてくださいね。……大好きです」
凄い幸せな気分で僕は周さんに囁くようにそう伝えると、周さんは嬉しそうにはにかんで「当たり前だろ、ありがとう」と言って僕の頭を撫でてくれた。
周りの目も気にせずに、僕らはずっとくっついてパレードを見ている。
行き先もわからずに周さんに連れてこられた夢の国。
今日は本当に楽しかった。
また周さんと一緒に来たいな……
間もなくパレードも終わる。
春馬君に呼ばれ、僕は柵に腰掛けて春馬君からもらったスイーツを頬張った。
「本当二人とも甘いの好きなんだな」
周さんと恭介さんが僕らを見ながら笑い合った。
「でもさ、偶然会えてよかったよ。竜太とはぐれてどうしようかと思ったもん。恭介ありがとな。春馬も……」
周さんと一緒に二人にお礼を言った。
恭介さんと春馬君と別れ、僕らは夢の国をあとにする。
駅までの道中、周さんが僕の足を気遣ってくれたけど手当てしてもらって絆創膏も貼ってもらったからもう痛くはない。
それでも僕の歩幅に合わせて周さんはゆっくり歩いてくれた。
帰りの電車の中では、遊びすぎて疲れてたのか珍しく周さんが居眠りを始めてしまったので、僕は肩を貸してあげた。僕の肩に寄りかかる周さんの頭に僕もそっと頭を寄せ、ゆらゆらと心地よい揺れにつられて瞼を閉じた。
ともだちにシェアしよう!