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自分じゃない…
二人掛かりで服を脱がされ、俺は全裸にさせられた。
両手は万歳の形でベッドに括り付けられ、両足首には棒みたいのが挟まれていて、足を閉じる事が出来ない。
恥ずかしさと悔しさと恐怖で涙が溢れる。そんな俺を見て、双子は嬉しそうにキスをした──
凄い嫌なのに……
体が火照って触れられるたびに快感が走るのが怖かった。
双子は俺の首筋に顔を埋めながら「気持ちがいいだろう?」と囁く。さっき出されたジュースの中に媚薬を入れたんだと言われた。
媚薬? ようは誘引剤みたいなものか? でもそんなのどうでもよかった。早くこの場から解放されたかった。
知らぬ間に完全に勃起していたそこに手が伸びる。軽く握られただけなのに、それだけで驚くほどに体が跳ねた。
自分の意に反して喘ぎ声が漏れてしまう。強引に与えられる快感に恐怖を覚える。俺の声に気を良くしたのか、一層強く扱かれた。
いくらやめてと懇願してもその扱く手は止まらず、俺はそのまますぐに射精した。
それで終わるかと思っていた。
手足の拘束は解かれる事なく、二人の弄る手も止まらない……
腹の上に飛んだ俺自身の精液を、双子の一人はなんの躊躇いもなく指先で拭うと嬉しそうにペロッと舐めた。
「案外頑張って我慢したじゃん。もうちょっと早くイくかと思った」
一人が俺の足を棒ごと持ち上げ後ろから固定する。俺はそいつに寄りかかった状態で、みっともなく足を持ち上げられてしまった。
足を閉じられないまま持ち上げられ、あまりの恥ずかしさに俺は顔を伏せる。
指先で拭った精液を俺に見せつけるようにしてから、なぜだかそれを尻の穴辺りに塗りたくられた。
気持ち悪さと気持ちよさに思わず腰が浮いてしまう。
「最初はゆっくり……」
そう呟いたかと思ったら、そいつの指が俺の尻穴へと侵入してきた。
嘘だろ?
いきなりの圧迫感と嫌悪感に俺は腰をくねらせ指から逃れようとしたけど敵うはずもなく、痛みと共に指が奥まで入り込んできた。ローションを垂らされながら、クチクチと嫌な音を立て指が蠢く。
ヤダヤダと暴れるものの、押さえつけられキスをされ「力を抜けば痛くないから……」とか「優しくするから泣かないで……」とか、やってる事とは対象的な優しい言葉を囁かれ、俺は泣きながらそれに従うことしか出来なかった。
夜遅くまで二人に執拗に尻穴を弄られ、なんだかよくわからない物を幾つか尻に突っ込まれた。
媚薬のせいなのか、俺は何回イっても萎えることなく、最初は気持ち悪くて嫌だったのに、指で弄られるだけで霰もない声を発してしまうようになってしまった。
最終的には手足の拘束は解かれたけど、俺にはもう抵抗する気力なんて残ってなかった。
双子に言われる通りの体勢をとり、要求に従う。
感じたくないのに、もうどうしようもなく気持ちが良くて……抵抗しなければ暴力は振るわれない。寧ろ優しい言葉を囁いてくるから、つい言うことを聞いてしまった。
何度イかされたかわからなかった。感情が昂り、羞恥心と快感に翻弄され、暴力に怯えながらも与えられる快感に声を洩らす。自分が自分でないような感覚に涙が止まらなかった。
そんな状態で俺はやっと解放された──
衣服を整え自宅まで一人でフラフラと歩く。尻の違和感がまだ消えない。
悔しくて涙が溢れる。
歩きながら携帯の画面を見つめた。
ふと直樹の顔が頭に浮かび、携帯の画面に指先が向かう……でも、直樹に何を言うんだ? と俺は思い止まった。
こんな事話せるはずもない。
俺が直樹を助けるって言ったんだ。
もうこんな事に関わらせてはダメなんだ。
そう思って携帯をポケットにしまおうとすると、不意にメッセージを伝える短い着信音が鳴った。
一瞬直樹の顔が浮かび、縋るように画面を開く。目に飛び込んできたのはさっきまで一緒にいた双子からのメッセージだった。
そこには明日は一人でアパートへ来いという内容……
もし来なかったら……
俺の代わりに直樹を呼ぶと書いてあった。
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