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これからも変わらず…
「直樹さ、わかってるとは思うけど……入江の事、責めんなよ? あいつはお前を守りたかったんだからな」
「わかってます。周さん……本当にありがとうございました」
「ま、お前の気持ちもわかるけどな。お前も自分の事、もう責めるなよ。……お前は悪くねえよ? 悪いのは彼奴らだ。今までほんと辛かったな」
あんまりにも周さんが優しい目をして俺を見るから、また涙が止まらなくなってしまった。
「あ……ありがとうございます」
「おいおい、もう泣くなって! そんな顔、入江が見たらまた申し訳ない気持ちになっちまうだろうが。あいつ出てくるまでに泣きやめよ」
周さんは苦笑いしながら冷たい水で絞ったタオルを俺の顔に押し付ける。
……なんだよ、周さんさっきまであんなに怖え顔してたのに。
超優しいんじゃん。
「……本当にありがとうございました」
もっと感謝の気持ちを伝えたいのに、こんな言葉しか出てこない。
「もう、ありがとうはわかったから! ……あ、竜太と康介にはこのこと言うなよ。変に心配されても困るからな。な? 絶対言うなよ!」
「はい……」
周さんと話しているうちに、祐飛と修斗さんがバスルームから出てきた。
祐飛は少しだけ頬を赤らめ俺を見る。
「心配かけてごめんなさい。助けてくれてありがとうございます。直樹……ごめんな。ほんとありがとう」
力なく笑い、周さんと修斗さんにお礼を言う祐飛をめいいっぱい抱きしめたいのを俺はグッと堪える。
俺たちは、二人で周さんと修斗さんにもう一度丁寧にお礼を言った。
「大した怪我もなかったし……直樹君、祐飛君は心配ないよ。もうあいつらが関わってくる事は絶対無いし、もしまた何かあったらちゃんと話す事! 一人で抱え込んじゃダメだよ」
修斗さんも俺たちに優しく言葉をかけてくれる。
感謝してもしきれない。
何度も何度もお礼を伝え、俺と祐飛は周さんの家を出た。
「………… 」
祐飛は周さんの家を出てからずっと黙っている。
祐飛があいつらに今まで何をされていたのか……想像するだけで俺はどうしようもない怒りに包まれてしまう。
もし祐飛が俺の恋人なら……
優しくキスをして、嫌な事を忘れさせるために……いや、俺の気が済むまで祐飛を抱くのに。
「………… 」
「直樹……」
ずっと黙りこくってた祐飛が俺を見る。
口を開けばまた俺は祐飛を責めてしまいそうで、黙ったまま目線だけ祐飛に向けた。
「直樹、今まで心配かけてごめんな……こんな俺でもまだ親友だって思ってくれるかな? 俺の事……好きでいてくれる?」
目に涙をためて祐飛が言う。
……ズルイよ。
俺は祐飛の事を愛してるんだ。
そんな俺にお前はまた酷な事を言うんだな。
でも、俺は祐飛のそばに居られるだけで幸せだよ。
振り向いてもらえないのは辛いけど、祐飛のそばから離れる事の方が俺には無理だから。
そんな言葉を飲み込んで、俺は祐飛に向かって笑いかける。
「当たり前だろ? 俺と祐飛は親友だ。ずっと変わらず大好きだよ……」
俺の言葉に安心したように祐飛がはにかむ。
……大好きだよ、祐飛。
これからもずっと。
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