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どきどき楽しみ

今日は周さんと二人で屋上で昼食。 康介と修斗さんは教室で過ごしてるみたいだった。 「ねぇ周さん、今日は夕飯は僕の家ですからね? 忘れないでくださいね」 なんだかとても楽しみで、僕は昨日の夜から周さんに今日の事を話していた。 「わかったから。忘れねぇよ、大丈夫だ」 あまりに僕が何度も言うから、段々周さんの返事が面倒臭そうになっていた。 「ところで昨日の夜、バイト遅かったんですか? 最初なかなか周さん電話出ないんだもん。心配してたんですよ」 そう…… 周さんにメッセージを入れ、バイトが終わった頃にも電話をしてみたんだけど全然出ないんだもん。 バイト終わりの時間を僕が勘違いしてたのかな? って思ってなんとなしに聞いただけなのに…… 「あ! あぁ……そう、バイトがね……長引いた」 周さん、なんか変。 隠し事が下手くそな周さん。 今の返事の仕方が物凄くぎこちなかった事、きっと本人は気付いてないよね。 「周さん? 昨日の夜何かあったんですか? それは僕に言いにくい事ですか?」 もやもやするのは嫌だから、僕は周さんに突っ込んで聞いてみる。 やっぱり焦った表情を見せながら、周さんは渋々話してくれた。 「あぁ……昨日な、入江の件……解決したから。もう心配ないから安心しろ」 僕から少し目を逸らしそう言った周さん。 「それならそうと早く教えてくれればいいのに! 良かったです……あ! もしかして…… 」 周さんが僕に言いにくかったって事は、喧嘩したんだ。 怪我! まさか怪我したから僕に言えなかったのかと思い、一気に不安に襲われる。 「周さん! 怪我は? どこも痛めてないですか??」 慌てて僕は隣に座ってる周さんの制服のシャツを捲り上げた。 「……? おいおいっ! 竜太? 大丈夫だって! 待てって、服めくんな!」 慌てた周さんが捲られたシャツを下ろそうとジタバタする。 怪しい! 慌ててる周さんを見て、やっぱりどこか怪我してるかもしれないって思って、僕はめいいっぱいシャツを捲った。 目の前に周さんのカッコよく割れた腹筋が現れ、そしてピンク色の乳首……周さんの綺麗な肌には、傷はともかく痣ひとつ付いていなかった。 「………… 」 「竜太?……なんともないだろ?……恥ずかしいからさ、そろそろ服……下ろしてもらっていいか?」 少しだけ頬を赤くした周さんが僕の事をジッと見てる。 「………… 」 学校の屋上で、少し離れたところには他の生徒もチラホラいる。それなのにこの状況……僕が周さんに掴みかかってシャツを思いっきり捲りあげている。 「あ! ごっ……ごめんなさい! 僕……僕、周さんが心配だったから! あ、あは……ごめんなさい」 この状況を改めて見て、僕は恥ずかしさで顔が熱くなってしまった。 慌ててシャツを下ろし、周さんの体をポンポンと叩いてシャツの皺を整える。 「竜太はエロいなぁ……まさかこんな所で脱がされそうになるとは思わなかったよ」 周さんが僕を見て笑ってる。 「違いますって! 脱がせたんじゃないです! 心配だったんですっ!」 「ほら、そんなに俺の裸見たいなら存分に見ろって」 意地悪な顔をした周さんが、今度は自分でシャツを捲ってお腹を見せた。 「ちょっと……お腹しまってください! 見せなくていいですっ! ……もう、揶揄わないでください」 周さんがゲラゲラと笑い、また服を整えた。 「……でも、周さん……本当にありがとうございました。首突っ込んだのは僕なのに、なんだか周さんに何から何まで解決してもらっちゃって。すみません」 僕は何にも役に立てなかった。 周さん、あときっと修斗さんや康介にも迷惑をかけちゃってる。 会ったらちゃんとお礼言わなくちゃ。 「なんだ? 竜太がシュンとすることねぇんだぞ? 俺がしたくてやったことだ。竜太のせいじゃねえし。とにかくよかったな、もう心配ないからな」 いつもの笑顔で僕の頭を撫でてくれる周さん。 「今日もちゃんと時間通りに竜太んちに行くから。よろしくな」 「はい。家で待ってますね」 楽しみなのが半分、ちょっとドキドキ半分。 帰ったらすぐ、周さんの好きなチーズケーキを焼こうと思った。

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