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みんなで昼食
みんなのもとへ戻ると、康介も修斗さんも志音のいるバーベキューコンロの前でお喋りをしていた。
周さんにおんぶされてる僕を見るなり康介が笑う。
「竜、包丁足の上に落としたんだって? よかったな、突き刺さらなくて。相変わらずそそっかしい奴」
「お肉焼けたよ。志音君がなんかお洒落なの作ってくれた。見て見て! 超美味そう!」
修斗さんが康介にもたれかかりながらジュースを開けた。
「ほら、できてるからみんなで食べよ」
志音にも呼ばれ、僕らは少し遅目の昼食を始めた。
焼きあがった肉はお皿に取り分けられていて、バーベキューコンロには何かを包んでいるアルミホイルが並んでいる。その横にはさっき買っておいた殻付きのホタテ……
「凄い……バーベキューっていったらお肉と野菜を単純に焼くだけかと思ってたけど、こんな風にもできるんだね」
人数分並んだホタテにはそれぞれスライスしたレモンが乗っている。僕がイメージしていたバーベキューとは違い、目新しいお洒落な料理が網に並んでいた。
「それね、ホタテのイタリアン風グリルにしたんだ。白ワインとオリーブオイル、塩胡椒で味付けしてあるよ……あ、あとそっちのホイルは野菜ね。夏野菜のホイル焼き。バターも一緒に入ってるから野菜あんまり食べない康介君達も食べやすいかな? って思って」
……凄い。
「志音凄いね! 美味しい〜!」
みんなで食べるのも楽しくて、美味しさも倍増。
「その野菜食べたらまた肉と今度は海老も焼くから、周さんもちゃんと野菜食べてくださいね」
志音に言われ、周さんも渋々野菜に手を伸ばす。
康介を見ると、猫舌だからフーフーして! なんて修斗さんに言われて、真顔でホタテをフーフーしていた。
面白い……
おまけにそのまま、ア〜んとかやっちゃってるし、あれ絶対無意識だよね。学校では見られないみんなの一面が見られて僕は楽しくてしょうがなかった。
僕がジッと見ているのに気が付いた康介が途端に顔を赤くする。
「な……何見てんだよっ」
慌ててる康介に修斗さんがまだあいてないコーラをおもむろに手渡した。
あ……これいつものパターンだ。修斗さんが悪戯っ子みたいな顔をしている。僕に恥ずかしいところを見られて動揺している康介はそんな修斗さんに気付かずにプシュっと音を立てコーラを開けた。
「……!!」
案の定、頭上高く噴き出したコーラを全身に浴びた康介が真っ赤になって怒り出す。
みんなはそれを見て大笑い。
おまけに「ベタベタだ〜!」って騒ぐ修斗さんにズボンまで強引に脱がされ、パンツ一丁にされた康介は周さんに担がれて川に投げ落とされた。
志音を見ると、先生に寄りかかって大笑いしている。
周さんもお腹かかえて楽しそうに笑ってる。
……よかった。
たまに見せる周さんの元気がないような顔はきっと僕の気のせいだよね。
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