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絶景ポイント

俺は先生の腰に巻いてあるタオルを取り、滾るそこに優しくに口付ける。 「なんだよ、ダメとか言ってたくせに……エロいな」 「ふふっ……早くイってよね。花火行くんだから」 花火を見に行きたくて……先生と二人で出歩きたくて言った事だけど、やっぱりこうやって触れ合っていればいやらしい気分になってしまう。でもそれを悟られてしまうのはなんだか悔しくて、何でもない風を装ってしまう。きっとそんなの先生にはお見通しなんだろうけど。 俺は先生の顔を見つめながら、わざと大きな口を開けゆっくりと咥え込んだ。 「おまえ、ムードもなにも……あったもんじゃないな。んっ…… 」 気持ちよさそうに目を瞑る先生の顔。こんな表情をさせられるのは俺だけなんだ。優越感や独占欲、愛おしい気持ちが湧き上がってくる。 先生の事が大好き── 先生の荒い息遣いを聞きながら、俺も段々と息が上がる。そのうち先生は俺の頭を撫ではじめた。 「陸也さん、気持ちい?」 俺の頭を撫でる手が徐々に激しくなっていく。ぎゅっと髪を掴まれたけどそんなのちっとも嫌じゃない。先生の腰が僅かに動くのを感じ、もうじき絶頂を迎えるんだとわかり嬉しくなった。 「ん……んっ、気持ちい……志音、イっていい?」 「いいよ。出して……」 俺の頭を掴んでる手に力が入った。 俺は少しずつ強めに扱きながら、喉奥深くまで先生のを咥え込む。先生も俺の喉奥に当てるように激しく腰を動かし始めた。 欲に忠実…… 俺が先生に快感を与えてあげてると思うと気分が良かった。 「んっ……んぁっ……いぃ………イくっ………んんっ、イくっ」 先生のそれは、口の中でビクッと質量を増したと同時に喉めがけ熱いものが迸る。俺はそれを全てゴクンと飲み込み、またそこへチュッと口付けた。 「良かった?」 肩で息をしてぼーっとしている先生の首筋に顔を埋めると、ぎゅっと抱きしめてくれた。 「ありがと……気持ち良かった。志音のここは?」 先生の手が俺の股間に伸びてきたけど、俺はそっとその手を掴んだ。先生が満足そうに笑うからもう俺はそれで満足してしまった。今はやっぱり花火の方が見たかった。 「俺はいいの……あ、陸也さん、ありがとね。本当は嫌だったんだろ? 俺のために旅行、オッケーしてくれてありがとう」 「何今更なこと言ってんの? 別に嫌じゃねえよ?」 先生の首に抱きつき、優しく唇を重ねる。まさかみんなと一緒に旅行なんてできると思っていなかったから、ちゃんとお礼が言いたかった。なかなかタイミングが掴めず今頃になってしまったけど。 先生はみんなで旅行に行くのを最初は渋っていた。それでも俺が友達と旅行なんてしたことないから……そう思って俺のためにオッケーしてくれたんだ。 「それに礼を言われるようなことじゃねえって。志音が嬉しいなら俺も嬉しいからいいんだよ」 「でも……みんなの保護者みたいになっちゃってんじゃん。ごめんね」 車の運転からバーベキューの準備など、ここに来るまでの準備だって大変だった。俺の恋人として……というより、大人として付き添っている感じになっているのが俺は申し訳なかった。 先生が俺の頬をぎゅっと摘む。 「なんだよ保護者って! 俺だけおっさん扱いすんなよな」 ……別にそんなつもりじゃないんだけど、でも大した事ないと言って笑ってくれたから少しだけ安心した。 しばらくのあいだベッドの上で二人でイチャイチャする。 「陸也さん、もういい加減何か着たら?」 全裸というセクシーな姿でいつまでもいるもんだから、そろそろ本気で風邪ひくんじゃないかって心配になってくる。 それにやっぱりいつ誰が帰ってくるとも限らないし落ち着かない。 先生は面倒くさいと言いながらも服を着る。丁度その時、窓の外から大きな音が響いた。 「あ!花火!」 窓の外には大輪の花火……寝室の大きな窓いっぱいに花火が広がる。 「凄い……!」 「だろ? ここも何気に絶景ポイントなんだよ」 先生が俺を背後から抱きしめながら、そう言って笑った。

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