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それぞれの夜… 煽り煽られ
あーー! もう!
「修斗さんの意地悪! 俺の事、揶揄ってるんですか!」
キョトンとした顔で、修斗さんは小首を傾げる。
ほらその顔………だめだ限界!
「修斗さんのばかばかばかっ! もう俺知らないっ!」
グッと修斗さんを押し倒し、堪らなくなり荒々しくキスをしてしまった。
「んっ! ……んんっ…… 」
俺の腕の中で修斗さんがジタバタしてる。
「…っは! 苦しい……もう! ちょっと康介、鼻息荒い!」
俺のキスから逃れた修斗さんが楽しそうにケラケラと笑った。
結局いいムードになる事もなく、ベッドの上でゴロゴロと二人でじゃれ合った。
「……?」
『やだ! 待って! やめてやめて……あぁ……んっ……んんっ……気持ちい……』
「???」
この声……
『やっ……陸也さん、ダメだよ……意地悪しないで……ごめんなさい……んんっ、やめて……やっ……イっちゃうし……あぁっ!……あっ!』
隣の部屋から漏れ聞こえる志音の声。
嘘だろ? 勘弁してくれ……モロまる聞こえなんですけど!
修斗さんと目が合うと、ハッとした顔で慌てて俺の耳を両手で塞いだ。
ああ……まただ。
「修斗さん??」
「やだっ! 康介聞かないで……」
耳を塞がれたまま強引に、修斗さんに甘くて深いキスをされた。
急にそんな色っぽくキスをされて、俺は一気に理性が飛んだ。
そのまま修斗さんを押さえつけ、首筋に顔を埋めた。
「あ……んっ…… あ……あっ! やっぱり! 康介勃ってる! なんで? やだ……なんで志音君の声聞いて勃ってるんだよ! 康介のバカ!」
修斗さんが悲しそうな顔をして俺のちんこをギュッと掴む。
「うぉっ?……痛えって! 修斗さん待って!……違うでしょ! 志音じゃねえだろ。修斗さんが俺を煽るからでしょ! 志音は関係ないって」
修斗さん、めっちゃ怒ってるけどこれって焼きもち……かな? ちんちん掴むのはいただけないけど。
「……ねえ修斗さん? 俺、志音の声聞いて勃ってるんじゃないよ? わかるでしょ? 目の前に大好きな人がいて触れ合ってるんだから……こうなるの当たり前。さっきからめちゃくちゃ俺の事煽ってたくせに。もう! ……恥ずかしい事言わせないでください。俺が他の奴の声聞くのそんなに嫌?」
鼻が触れ合うくらい顔を近づけ、俺は修斗さんに聞く。
小さく頷く修斗さんが、もう可愛くてしょうがなかった。
俺は修斗さんの頭を優しく撫でる。
「そんなに嫌なら、志音の声が気にならないくらい修斗さんのいい声、俺に聞かせて……」
修斗さんの頭を抱えるようにして耳元でそっと囁くと、フルっと身震いしながら吐息を漏らした。修斗さんはとっても敏感。
「……感じる? 耳も弱いもんね修斗さん」
「や……だ。あ……あ…… 待って……んっ 」
声が漏れないように手で口を押さえる修斗さん。可愛くって意地悪したくなる。
「それじゃぁキスできない……修斗さん、手……退かして……」
口もとを押さえてる両手をそっと外しキスで口を塞いだ。
そのまま修斗さんの服の中に手を滑り込ませ、敏感なところを優しく抓る。
「あっ!……やぁ……康介……だめだってば……」
ギュッと俺にしがみついて顔を伏せる修斗さんを、無理やり顔を上げさせた。
「だめじゃないからね。俺のせいじゃないよ、修斗さんが俺を煽るのが悪いんだ……」
声を出したくない修斗さんを思って、キスで口を塞ぎながら体中弄る。
修斗さんも観念したのか、とろんとしながら舌を絡めてくるからもう止められないや。
「康介、声でちゃうから……あぁ、んっ……優しく……しろよな…… 」
「優しくしたって何したって可愛く啼くくせに……」
志音の声が丸聞こえだったのが気になるのか、しきりに口を押さえたり下唇を噛んだり……修斗さんは必死に声を押さえてる。
それもまた堪らない。
隣に意識を向けると相変わらず志音が激しく喘がされていてちょっとビビるけど、あんだけ向こうが夢中になってるなら絶対大丈夫だと思うんだけどな。
結局、俺が修斗さんに掴まれた手を口にあてて声を押さえてあげながら、修斗さんに言われる通りに優しくゆっくりと抱いてあげた。
でも「優しく」とか言っても、俺が修斗さんの口や体を押さえつけながらだったから……なんだか修斗さんに乱暴にしているようにも感じてしまい俺は加虐心を煽られていつも以上に興奮してしまった。
だめだよね。
これは修斗さんには絶対に言えないな。
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