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改めて……大切な人

イライラすると性欲って増すのかな? 玄関に入るなり竜太を抱きしめた。竜太は俺より全然小さくて細いから、すっぽりと俺の腕の中に収まってくれる。 「……どうしたの? 周さん?」 可愛い顔をして俺を見上げる竜太に案の定ムラっときてしまった。 「……なんでもない」 「…………」 夕飯の買い物に行くか、と聞いてくる竜太を強引に風呂場まで押していく。不思議そうな竜太に俺は「抱かせろ」なんて偉そうに言ってしまった。 「そんな……帰ってきたばっかなのに」 ……だよな。 俺は何やってんだ。 竜太の顎を持ち上げ、唇を重ねる。 自分自身にイラついて、少しだけ強引になってしまった。 舌を絡めながら、服を脱ぐ。 なんとなく気持ちが焦り、それが伝わったのか、竜太はそっと俺のことを抱きしめてくれた。 「僕はどこにもいきませんよ……」 小さな声で竜太が囁いた。 ギクッとした。 そうだ、俺は取り残されたような気持ちだったんだ。自分でも何でだかわからなかったこの感情に竜太はスルッと入り込み大丈夫だと安心させてくれた。 全く、竜太には敵わない…… 俺は竜太に謝った。 ごめんな……ありがとう。 いつも俺は竜太に救われている。 惜しげなく愛情をくれる竜太が愛おしい。 それから竜太は俺の気持ちを察してなのか、慣れないながら一生懸命リードして、俺を抱いてあげるなんて言ってきた。 ぎこちなく俺に跨り、気持ち良くしてくれようとする竜太に俺は胸がいっぱいで不思議と気持ちが満たされていった。 竜太と一緒にいられて本当に良かった…… ありがとう、愛してる……そう気持ちを込めながら俺は何度も竜太にキスをする。 お互い欲を吐き出し、二人で晩飯を済ませ小さなベッドで抱き合って眠った。いつもなら俺が腕枕をして抱きしめるのに、今日に限って竜太が俺の頭を抱えるように腕枕をしてくれる。そっと抱きしめながら優しく背中をぽんぽんと叩いてくれるから、俺は少しだけくすぐったい気持ちで眠りについた。 翌朝、目がさめると昨晩とほぼ同じ状態なのに気がついた。 静かに寝息を立てている竜太の頬にそっと口付けると、竜太は眉間に皺を寄せながら怠そうに目を覚ました 「おはよ、竜太……腕大丈夫か?」 心配になり声をかけ体を退かすと「ふぁっ!」なんて情けない声が上がった。 「あ! あまねさんっ……う……腕が! どうしよう……ふぅぅぅんんん……」 変な声をあげながら悶絶している竜太が可笑しくて可愛くて、朝から大笑い。 「痺れてるっ! 痛い……うぅ……あ! でも……大丈夫! ……んんん、だ……大丈夫!」 真っ赤な顔で必死に平常心を装う竜太に俺はキスをした。 「ありがとな。今度から腕枕は俺がしてやるから」 そう言って、俺は朝飯に何か食べられるのはないか台所を探す。 ちょうど食パンがあったから、適当にそれを焼いてバターを塗った。 のそのそと竜太もベッドから降りてきて、だいぶ痺れも薄れてきたと言いながら、俺が焼いたトーストを嬉しそうに頬張った。 二人で朝食。 寝るときも目が覚めたときも、好きな奴が毎日そばにいてくれる…… なんかいいな、そういうの。

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