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いつもの二人… 康介の場合
今日の文化祭は、修斗さんはクラスの手伝いも無いしライブの時間までずっと康介といるからね、なんて言ってたから、俺は凄く楽しみに教室で待ってたんだ。
でもなかなか来ないと思って修斗さん探しにうろうろして、屋上に上がったら竜と修斗さんが何だかくっ付いて親密に話をしていた。
俺が来たのにも気がつかないで、ニ人で見つめ合っちゃってさ……
なんか最近の竜、イケメン丸出しになってきてるし修斗さんと並んでる様子がカッコよくってちょっとムカつく。
……でもこれは俺の僻みだってわかってるんだ。
ニ人に近づいていくと、修斗さんは何かを言って竜の頭を優しく撫でた。
「………… 」
やましい気持ちは無いってわかっているけど、どうしたってモヤモヤとした嫉妬心が俺の中で渦巻いてしまった。だってあんなに優しそうな顔しちゃってさ、俺だって修斗さんに頭撫でられたいし。
「修斗さん! 何してんすか! 俺教室で待ってたのに。竜はどうしたの? 早く教室行けば? 準備大丈夫なの?」
あぁ、またやっちゃった……
普通に喋ろうとしたのにやっぱりイラっとした態度が出てしまう。
そんな俺の姿を見て、思った通り修斗さんは馬鹿にしたようにクスクスと笑った。
「ほらね、わかりやすいったら……好きな奴の事になるとみんなこうなんだよ」
俺が焼きもち妬いてるのが面白いんだろ?
いつもの事だけど、何だか悔しかった。
そして「妬いてなんかない」って事を言えば言うほど、修斗さんはまた嬉しそうに笑うんだ。
「はいはい。竜太君の用は済んだから、ほらお待たせ。行くよ康介」
まるで俺を宥めるように、修斗さんは俺の肩に手を回して歩き出した。
……いっつもこうなんだ。でも悔しいけど好きなんだからしょうがない。
修斗さんとニ人でまずは竜のクラスの上映会を観に行った。
廊下を歩いているだけで修斗さんは色々な人に囲まれてしまってなかなか先に進めない。もちろんライブ目当ての人もいるけど、同じ学校の奴らもここぞとばかりに話しかけてくるから面白くない。
そんな気持ちで視聴覚室まで行くと、竜まで女の子に囲まれてるから本当もう何なの? って嫌な気持ちになる。
今日の俺、嫉妬やら僻みやら、最低だな……
ちょっとイライラしたままの状態で竜主演のミニドラマを観て、ご機嫌な修斗さんの希望で今度は俺のクラスのお化け屋敷に向かった。
このお化け屋敷はちゃんとひと組ずつ入場させるから、混み合う前にニ人で来られて良かった。
「修斗さん? 本当に中真っ暗だから俺とちゃんと手繋いでてくださいよ」
「え〜? そんな事言って、単純に俺と手を繋ぎたいだけなんでしょ?」
クスクスとまた俺の事を揶揄う修斗さん。
「もう! うるさいな。ほら入りますよ!」
俺は強引に修斗さんの手を取り中に入った。
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