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竜太の誕生日/独占欲の証

「周さん、お待たせしました……僕も」 片付けを終えた僕は急いで不貞腐れてる周さんのところへ行き、ゴロンと横になってる足元に座った。 「……遅い」 ぷうっと膨れて、周さんは僕の膝の上に頭を乗せる。 膝枕…… なんとなく周さんの頭を撫でながら、僕もテレビの方を見た。 お笑い芸人達が何やらコントをやってるけど、僕はあまりこういうのは詳しくないから、見ててもよくわからない。 「なんかな、テレビくだらねえのしかやってねえの……竜太何か見たいのある?」 周さんはそう言いながら、近くに転がっていたリモコンを取り僕に向けた。 「いえ、周さんの見たいのでいいですよ」 周さんの髪の毛を指でくるくると弄りながらそう言うと、不意に周さんにその手を掴まれ、何か小さいものを握らされた。 ……? 「え?……これ」 「プレゼント。俺からの誕生日プレゼントだよ」 僕の手に収まる白くて小さな四角い箱。 「あ……開けてもいいですか?」 「当たり前だろ。早く開けてみて」 箱の大きさから、何となく中身がわかってしまってどうしたって胸が踊る。思った通り、中にはシルバーの指輪が入っていた。 「竜太は俺のもんだ……っていう証し。独占欲強くてごめん」 そう言って僕の前に座り直し、照れくさそうに俯く周さん。 「俺はファッションでいくつか指輪もつけるけど……竜太はそうじゃねえだろ? だから出来るだけシンプルなのにしたんだけど、もし指に嵌めるのに抵抗あれば、このチェーンに通してネックレスにしてもいいし。どう?」 箱の中を見てみると、同色のチェーンも一緒に入っている。 「嬉しい! ねえ、見て! 指ぴったりです! 何で僕のサイズわかったんですか?」 僕は周さんの話もあまり聞かずに、箱から指輪をいそいそと取り出し、早速自分の指にはめて目の前で手をヒラヒラとかざしてみた。 「いや、何となく? 竜太の指触ってみて、こんくらいかな? って適当に。サイズぴったりみたいで良かった……って、その指につけんの? 無理につけなくていいぞ? また学校でからかわれるだろう?」 周さんがくれた指輪は僕の左手の薬指にぴったりだった。 「この指がいいんです。ダメですか? 結婚指輪する指だから僕がしちゃおかしいですか?」 「いや……俺は嬉しいけど、てか実はその指のサイズで合うといいなって俺も思って買ったんだ。でも、学校でまた竜太が何か言われるといけねえから、休みの日とかだけにしろよ。学校ではネックレスにして……」 周さんが僕のことを心配してくれるけど、もう頭の中は幸せいっぱい。 僕は嬉しくて自分の手を見つめてしまう。手首には去年プレゼントしてもらった周さんとお揃いのブレスレットもある。 あの時は色々とサプライズもあったりして嬉しさのあまり思わず泣いちゃったんだっけ…… 「………… 」 「あれ?……竜太、泣いてんの?」 周さんに顔を覗き込まれ、慌てて頬を拭った。 そんな僕の頬に周さんはキスをすると、その場で僕を押し倒した。 「可愛すぎだろ……もう待てないから」 頭を押さえ込まれ、半ば強引にキスをされる。周さんの舌が僕の中で暴れ、シャツの中に手が忍び込んできた。 「あ……待って……んんっ、そこ……んぁっ……抓らないで……」 「ん、うるさい……」 またキスで口を塞がれてしまう。 頭を抱きかかえられ、服は胸まで捲り上げられてしまい、慌てて僕は周さんの手を押さえた。 「なんだよ、嫌なの?」 「嫌……じゃないんだけど、ここ落ち着かないです。周さんの部屋がいい」 何かの拍子に雅さんが帰ってこないとも限らないし、そんな事を考えたらドキドキしてしまって落ち着かない。 僕は起き上がり、周さんの首にしがみつく。 「あと……ちゃんとシャワー浴びさせてください。ね、嫌じゃないから……少しだけ待ってて…… 」 そう言って、僕は周さんに軽くキスをした。

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