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「なぁなぁ、家庭教師ってさ、どんなん?」 「どんな……ってどういう意味? 普通の家庭教師の先生だよ」 今日も昼休みは康介と一緒に屋上で過ごしてる。周さんは今日はサボりなのか、朝から見かけてない。 「なんかさ、家庭教師ってエロいイメージ……」 康介が楽しそうに僕の顔を覗き込む。 「女? 男?……若いの? おっさん?」 ……そんなに興味沸く事かな? 「綺麗な女の先生だよ。確か二十歳だって言ってた……」 僕がそう言うと、更にうるさく騒ぎ始めてしまった。 「マジかー! そんなに若いの? おっさんとかじゃねえんだ! ハタチってことは現役女子大生?……しかも綺麗なんだ。ふぅ〜ん、ヘェ〜、いいなぁ」 ニヤニヤしている康介を見て僕はちょっと不思議に思った。 「康介は僕が羨ましいの? 家庭教師が綺麗な女の先生だとエロいイメージが沸くの?」 僕は本当に疑問に思ったから聞いてみただけなんだ…… 「いやっ、エロいって……いや、そうじゃなくて……なんか新鮮じゃね? ドキドキしたり……ああ、しねえか! あ……いやこれはダメだ……竜! 言うなよ、こんな事話してたなんて……」 凄い慌てふためいて康介が弁解じみたことをべらべらと喋ってる。 僕、聞いちゃいけなかったかな? 「康介は修斗さん以外にも、ときめいたりするの? ドキドキしちゃったりするの?」 「ふぁっ? ね、ねえよ! それとこれとは別だろ! 修斗さんが一番に決まってんじゃん! ……おしまいおしまい、この話はもうおしまい!」 ……なんだよ、康介から家庭教師の事聞いてきたんじゃん。わたわたとメロンパンを頬張ってる康介を、僕はちょっとだけ睨んだ。 「ところでさ、康介。最近修斗さんと一緒じゃないんだね。どうしたの?」 ここのところ、休み時間毎に僕のクラスに顔を出す康介。お昼もこうやって一緒にいるけど、修斗さんの姿はほとんど見ない。放課後僕もお茶に誘われる事が無くなったし、志音同様ご無沙汰感があった。 「ん〜、わかんね。忙しいのかな? メッセージ入れても返事があったりなかったりで……うん…、最近全然遊んでくんねぇの」 すっと俯き、寂しそうな表情を見せる康介。 「修斗さんさ、寂しがりなんだよね……なのに全然かまってもらえなくて、俺の方が寂しがり屋になっちゃいそうだよ」 チューっとパックの牛乳をストローで一気飲みしながらションボリする康介。いっつも康介にちょっかい出してふざけてる修斗さんなのにね。どうしたんだろう。 「まぁ、修斗さんも三年生だし……きっと忙しいんだよ。康介、寂しかったら僕が遊んであげるから元気出してね」 そう言うと「ありがとな……」と寂しそうに康介は笑った。

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