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昨晩の二人/信じて、抱かれろ…
窮屈だったけど、俺も離れていたくなくて志音の眠るベッドに潜り込んだ。
少しだけ赤く腫れてる瞼に、気づかれないよう軽くキスをする。乾いた涙でかさついた頬を優しく撫でる。
普段は高校生に見えないくらい大人びているくせに、こんなにもあどけない顔で眠っている志音。
起こさないようにそっと抱きしめ俺も眠った。
浅い眠りから少し目が覚め、窓を見ると空が白み始めていた。
いつの間にか俺の腕枕の中で寝ている志音を見ると、志音もやはり眠りが浅いのか目を覚ます。
「おはよ……」
「………… 」
志音はどちらかというと寝起きがいい。
それでも目の前の志音の表情は複雑に見える。
「まだまだ早いから、寝てていいぞ?」
「……やだ」
ギュッと抱きつかれ、俺の首筋に顔を埋める志音に俺は胸がドキドキする。
……抱きたい。
仮にも今は修学旅行中。
志音を部屋に連れて来た時から公私混同も甚だしいのはわかっているけど、やっと自分の手に戻って来てくれた志音を目の前にして俺はこの欲を押さえることなど出来なかった。
「志音…… 」
志音の顎をそっと掴み自分の方を向かせる。
鼻と鼻を擦りつけキスを強請ると、志音は軽く啄むようなキスをしてくれた。
「……もっと」
そんな軽いキスなんかじゃ物足りない……
俺はもう一度強引に唇を合わせると、舌を絡めながら志音の体を弄った。
「んっ……ふっ……ん、あ! やだ!」
シャツの中に手を滑り込ませ、志音の肌に直接触れ撫で回していた手を突然掴まれ拒否された。
「ごめん、陸也さん……まだ……俺、やだ」
相変わらずの不安そうな顔で俺を見上げる志音。
「やだってなんだよ……志音」
俺の手を掴み、俺の体から逃れようと体を捩る志音を押さえつける。
「やだって……お前、こんなになってるじゃん」
腰に当たる志音のそれをそっと撫でると、ビクッと体を震わせ俺の首にしがみついた。
「あ……ん、だって……しょうがないじゃん……や、陸也さん……やめて、俺……怖い……怖いんだ」
「………… 」
俺は覚えていないけど、記憶がない間に志音を抱いていた俺が、どうしようもなく酷いことを言ってしまった。それを思って志音は怖いと言っている……
「大丈夫だって言ったろ?……お前の事、絶対忘れたりしないから。ちゃんと……志音の目の前にいるのは俺だから!……信じて。信じて……俺に抱かれろ」
また溢れてくる志音の涙を指で拭い、優しくキスをしながら下着を脱がせる。
もう志音は抵抗しなかった。
「陸也さん……大好き」
志音の方からキスを強請り、唇を重ねる。
「大好きだよ。志音……俺にはお前だけだから、信じて……」
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