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二人で一緒に

テーブルに向かい合って座り、周さんが僕のために作ってくれたカレーを頬張る。なぜだか玉ねぎとお肉しか見あたらないけど、きっとじゃがいもは煮込んでるうちに蕩けてしまったんだろうな。これもまた、どろっとしてて美味しかった。そして人参は周さんのことだから始めから入れてなかったのかもしれない。あんまり好きじゃないって言ってたもんね。 「……どう?」 周さんが不安そうな顔をして僕に聞く。 そんな顔しなくても…… 「とっても美味しいですよ。おかわりしたいくらい!」 僕の言葉にホッとしたのか、嬉しそうに笑ってくれた。 よく見ると周さんの指先に小さな傷がたくさん出来てる。 僕だって母さんの手伝いやお菓子作りを少しするけど、それでも火傷したり指を切ったりする事がある。 周さんは全く料理なんてしたことなかっただろうから、どれだけ大変だったかを考えると本当に嬉しくて愛おしかった。 「周さん……ありがとう」 「なんか照れるから。そんな見んなよ」 照れくさそうにカレーを口に運ぶ周さん。 今日の周さんはとびっきり可愛く見えて抱きしめたくなった。 二人で一緒におかわりをして、二人で一緒にご馳走様をする。僕がお皿を洗い、洗い終えた食器を周さんが拭いて片付けた。 テキパキと二人で協力して片付けを済ませ、僕はやっとソファで寛ぐ周さんに甘える。いつものように後ろから抱きしめられ、のんびりとテレビを見て過ごした。 僕の胸元に回された周さんの手を取り指先を見つめる。 「周さん、傷だらけ……絆創膏貼りましょうか?」 さっき気づいた小さな傷。幸い深そうな傷は見当たらないけど近くで見ると痛々しくて見てられない。 「ん? 大したことねえし、いいよこのままで。邪魔くさいしすぐ治るから……」 「なんかごめんなさい。僕のせいで」 周さんは普段料理なんてしないから、やっぱりちょっと申し訳ない気持ちになってしまった。 「は? 謝んなよ。俺がやりたくてやったんだから。でも料理って難しいのな。竜太はスゲーな。ケーキとかも作れんだもんな」 周さんはそう言って僕の頭をいっぱい撫でてくれる。 「だって周さんが喜んでくれるのが嬉しいから……」 僕は体の向きを変え、座ってる周さんに正面から抱きついた。 「テレビ見えねえよ?」 周さんはそう言って、わざと顔をそらす。 「いいんです。ねぇ僕の方見て……」 僕はそんな周さんの頬を両手で挟みこみ、ちゅっと軽くキスをした。 「……僕にもキス、して下さい」 鼻がくっつくくらい顔を近づけ、僕は周さんの肩に手を回しキスを強請った。 周さんはわざと僕の鼻に軽く噛み付いてから唇にキスをする。 「竜太……好きだよ」 愛おしそうに僕を見つめてくれる、その優しい表情に安心する。 「僕も大好きです」 今度はどちらともなく顔を寄せ合い、僕らは何度もキスをした。

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