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いつもの昼休み

修学旅行から戻り、僕らはまたいつものように屋上で昼休みを過ごしている。 僕は昨日直接周さんにお土産を渡した。 康介も学校で修斗さんにお土産を渡したいって言っていたから、昨日周さんにそう伝えておいたのに……それなのにここにいるのは僕と周さん、康介の三人だけだった。 気丈に振舞ってるけど、康介は修斗さんに避けられてると思ってるから絶対に辛いはず。康介にこんな顔をさせてる修斗さんは、一体何を考えてるんだろうって思ってしまう。 「周さん、修斗さんは今日も学校休んでるんですか?」 「いや……来てんだけど、他の奴と飯食うって言ってどっか行った」 「………… 」 周さんも少しは康介の気持ちになって話してくれればいいのに…… 僕は何と言ったらいいかわからず、黙ったままメロンパンを頬張ってる康介の顔を見た。 「……ん? 竜どうした? ……しょうがねえよ。修斗さんだって友達付き合いあるんだろ? 竜がそんな顔することねえって」 辛いはずの康介が、心配する僕に向かって笑顔を見せる。 ……気を使われてしまった。 僕は「そうだね」と呟き、食べ終えたお弁当箱を片付け周さんと修学旅行の話をした。 しばらくの間康介も一緒にお喋りをしていたけど、気がついたらどこかへ行ってしまっていた。 康介がもう屋上にいないと確認をしてから僕は周さんの顔を見る。 「修斗さん、どうしちゃったんですかね?」 「ん〜、わかんね。竜太たちが修学旅行行ってる間も学校休んでたし……色んな奴と遊んでるみたいだけど。俺もあいつが何がしたいのかわかんねえんだ。ま、そのうち二人で話すだろ。気にすんなって……」 そう言って周さんは僕の脚に頭を乗せ、昼寝を始めた。 「まったくもう。気にしますってば」 まるで他人事…… でもそうだよね。これは康介たちの問題だもん。僕がとやかくいう筋合いはない。志音と先生だってちゃんと元に戻ったんだ。きっと大丈夫…… すぐに寝息を立て始める周さんの頭を撫でる。 気になるけど、何とかしてあげたいけど……でも僕にはどうしてやることもできず、もどかしさだけ膨らんでいった。

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