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お祝い会
そのまま四人で真っ直ぐカラオケに向かう予定だったけど、修斗さんの制服はありとあらゆるボタンが無くなってしまっていたので、一旦着替えに帰ってしまった。勿論康介も修斗さんについて行ってしまったので、とりあえず僕は周さんと一緒に先にカラオケ店へと向かった。
周さんに、今日は二人のお祝いなので僕と康介が支払いをするからと説明をして、受付を済ませる。案内された部屋に入ると早速康介からメールが入り、すぐに向かっているということだったので、食べ物などはまだ頼まずに周さんと待つことにした。
「……竜太」
僕の真横に腰掛けた周さんが甘えたような声で僕を呼ぶ。
「なんですか?」
顔がよく見えるように、周さんにちょっとだけ寄りかかって顔を近づけ返事をする。
「とうとう卒業しちゃったな……俺。俺いなくて寂しい?」
僕の腰に手を回し、グッと抱き寄せながらそう聞く周さんに僕は素直に頷いた。
「でも大丈夫です。何にも変わりませんから。周さんそんなに寂しそうな顔しないでください」
周さんの頬にチュッとキスをする。
嬉しそうに笑った周さんが、お返しと言わんばかりに僕の頬に手を添えて優しく唇にキスをしてくれた。
「周さんのネクタイ……毎日着けて大事にしますね」
もう一度、今度は僕からキスをしようと顔を上げる。でもすぐに人の気配に気がついて入り口を見ると、修斗さんと康介が並んでこちらをじっと見ていた。
「あ……いいよ、気にせず続けて」
修斗さんが笑って手のひらを僕に向けてそう言うけど、恥ずかしくて慌てて周さんからちょっと離れた。
「……なんだよ、早かったな」
「いや、待たせちゃ悪いから急いで来たんだけど……なんなの? いつも二人はこんなに甘々してんの? 信じらんない」
修斗さんが周さんの横に座り、康介も続いて部屋に入ってくる。
ちょっと恥ずかしい……
「それじゃ、始めよっか」
周さんと修斗さんが食べたいもの、飲みたいものを注文して、康介から簡単に挨拶をした。僕も昨晩考えていた事を周さんと修斗さんに話した。
高校に入学して初めて周さんと修斗さんに会った時のこと。初めて行ったライブでとても感動したこと。初めて人を好きになったこと……恥ずかしかったけど、周さんや修斗さんにはいっぱいいっぱいお世話になったから、僕は素直にお礼を言うことができた。
そして二人で挨拶を終え、しばらく楽しくお喋りをしたり周さん達に歌ってもらったりしてカラオケを楽しんだ。
「竜太……そろそろ、やる?」
コソッと康介が僕に耳打ちをする。
「あ……うん、やろっか」
いよいよ康介と一緒に歌のプレゼントだ。
やだな、一気に緊張してきちゃった。
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