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卒業旅行/露天風呂

夕食の時間になり、僕らは周さん抜きで部屋で食事を頂くことにした。 康介と修斗さんは僕の気がまぎれるようにと色々と気を遣ってくれた。鍾乳洞での事を振り返り話しながら二人が僕の事を気にかけてくれてるのがわかったから、しょんぼりしてばかりじゃダメだと気持ちを切り替え夕飯を楽しんだ。 部屋へ出される豪華な食事。 修斗さんも康介も、楽しそうにお喋りをしながら料理を口に運んでいく。僕だって楽しいし豪華な食事に感動したけど、やっぱり周さんがいない事がどうしようもなく寂しかった。 夕食の前に温泉に行きそびれてしまったから、食べ終えたら三人で行こうかという事になっていたけど、食事を終えると何故だか体がふわふわしてしまい、僕は先に寝ることにした。 奥の方のベッドを使わせてもらい横になる。しばらくすると、康介と修斗さんは部屋にある露天風呂に入ると言って二人で外へ行ってしまった。 「………… 」 眠いと思ってベッドに横になってみたものの、結局全然眠くはならずに寧ろどんどん目が冴えていく。ゴロゴロしながら周さんのことを思っていると、外から楽しそうな笑い声が聞こえてきて、僕は意識をそちらに向けた。 今思えば、僕はどうかしてたんだと思う…… だってこの時の僕は、康介と修斗さんが楽しそうにしているのが無性に羨ましくて、そして寂しいと思ってしまったんだ。そう、何も考えず、自然に体が動いていた。 「………… 」 外の露天風呂の方から二人の笑い声が聞こえてくる。 いつものように修斗さんが何かを言って康介を揶揄っているようだった。バシャバシャと水音も聞こえてきて、プンプンと怒っているような康介の声もいつの間にか笑い声に変わっていて、やっぱりとても楽しそうに感じた。 目も冴えてるし何となくつまらなくなり、僕はベッドから起き上がる。外の方からは相変わらず楽しそうな康介と修斗さんの話し声が聞こえてくる。 僕だけひとりぼっち…… ふと僕も温泉に入りたくなり、その場で服を脱ぎ捨て康介達のいる露天風呂の方へ歩いた。 露天風呂に続く扉を開け、僕も外に出る。近づくにつれ、康介と修斗さんの話し声が聞こえなくなっていることに気がついたけど、何とも思わず僕は進んだ。 湯気の向こう……二つの影が視界に入る。 静かだと思ったら、湯に浸かる康介の上に修斗さんが跨るようにして座りキスをしていた。 なんだ…… キスしてるのか。 邪魔しちゃ悪いと思い、僕はそっと端から温泉に入った。 「………… 」 もう一度言うけど、この時の僕はどうかしてたんだ。 僕がそっと湯に浸かると、すぐさま「ぎゃ!」と康介が叫んだ。 「な……! なんで竜が? え?? いつからそこにいんの? へ? 何で??」 修斗さんは康介に抱っこされたままの状態で僕を振り返る。 「目が冴えちゃって。康介達が楽しそうだったから僕も来ちゃった」 「いやいやいやいや! 来ちゃったって! 待って! ……え? え? だからって……この状況、何? ……えぇぇ??」 康介は何故だか大慌てで何を言ってるかわからないし、修斗さんはそんな康介を見てゲラゲラと笑ってる。 修斗さんは康介から降りると、僕の方に近づき、一緒に入ろうと言ってくれた。

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