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第15話

「…い、起きろ。起きろっつてんだろ、おい!」  聞き覚えのない男の声が騒いでいた。 「おい!起きろよ!」  起きろ?  朝か。  瞼を開ける。  眩しい光が双眸に差し込み、レイレスは手で覆った。 「ようやくお目覚めか。このガキ。がっつり熟睡しやがって」  慣れ始めた視界に映ったのは、金髪の男だった。男は、突如レイレスの前髪を掴み、無理やり横になったままのレイレスを引き起こした。 「…っつ、痛っ…!なにをする!」 「いつまでも寝てんじゃねえ。今からお前の処遇をどうするか決めんだよ」 「処遇…?……こ、ここは…?」  辺りを見渡せば、金髪の男だけではない。他に取り囲まれている。屈強な、男達がそこにいた。金の髪の男は、その男達に比べると年若に見えた。 「あ?エィウルスはどうした」  金髪の男は部屋を見渡すと、誰かの名を呼んだ。 「鴉の死体を持ってくると言っていたが?ディーグ。すぐ戻るだろう」  金髪の男はディーグと言うらしい。そのディーグは再びレイレスへと向き直った。 「おい、ガキ。名は?」 「え…あ…レイレスだ」 「ふ…ん、レイレスね。父親の名は?」 「は?」  突如問われた答えに、レイレスは戸惑った。 「は?じゃねえ。答えろ!」  突然、再び前髪を掴まれ、床へと引き落とされた。 「っ…う…」  床に頬を打ち付け、クラクラとしたまま、ディーグを睨みつける。  レイレスを見下ろすディーグの瞳が、レイレスの視線と交じり合うなり、更に険しさを増した。  睨み下ろすディーグは、レイレスを睨みつけたまま、男達へと告げた。 「おい、エィウルスを呼んでこい」 「俺ならばここにいるが」

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