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ご褒美
俺は立花葵。
どこにでもいる普通の男子大学生だった。
過去形になっているのは、最近心境の変化があり、一般的な『普通』とは言えなくなってしまったからである。
その心境の変化とは、俺の家のお隣である和菓子屋の三つ子に関してだ。
俺は、大学生になった事をきっかけに、その三つ子『飛鳥』『疾風』『美月』の家庭教師をやっていた。
来年高校生になる三人は、昔から俺に懐いていたし、中学生の勉強を教えるくらい簡単だと思っていたのだが……
思春期を迎えた三人は、なぜか『ソウイウ事』の対象に、俺を選んだらしい。
そして俺はこの三人によって、淫靡な世界の扉を開けられ、深みに堕とされてしまった。
しかし!
俺も負けてばかりはいられない!
なぜなら俺は『家庭教師』だから!
◎ ●
「はい、終了。シャーペンしまえよ?」
今日も家庭教師の時間は滞りなく進んでいく。
基本的に真面目な三人は、授業の間は大人しく勉強している。
そして今は、最後のおさらいとして、小テストをした所だ。
三人から回収したテストを採点していく。
「いつもながら、飛鳥は全問正解。疾風と美月は……また間違えてる……」
俺は溜め息をついた。
疾風は応用が苦手で、美月は分数が苦手だ。
何度も教えているはずなのに、効果は一進一退。
昨日できた問題が、今日はできないなんて事も、まぁよくある。
逆もまたしかり……
「「ごめんなさ〜い……」」
声を揃えた疾風と美月が、ショボンと項垂れる。
「謝らなくていい。その代わり……今日はお仕置きだぞ?」
「「「お仕置き?」」」
三人が同時に復唱し、同時に首を傾げた。
さすが三つ子、タイミングも動作もそっくりだ。
違いがあるのは、飛鳥の眼鏡と、美月の茶髪だけ。
腕時計を確認した俺は、ニヤリと口角を上げた。
「後三十分――ご褒美とお仕置きの時間だ。エロいお前達に、ピッタリな物を考えて来たからな」
三人はどんな反応をするか……
楽しみで仕方がない俺に、飛鳥も含めた三人が、ゴクリと生唾を呑んだ。
俺はまず、飛鳥をベッドに座らせ、三人共に下半身を脱がせる。
それから『お仕置き』組の疾風と美月を、後ろ手にタオルで縛った。
「アオ先生、何をするの……?」
「これで終わり……じゃないよね?」
不思議そうに首を傾げる美月と対照に、疾風は何かを察知したのか、少し声を震わせている。
「まだ準備段階だよ。お仕置きはコレ」
そう言って俺は、鞄から小さな黒いベルトを取り出した。
長さ10cm程度のベルトで、巻き付けた物を傷付けないように、柔らかい素材でできている。
俺はそのベルトを、まだ萎えて垂れ下がった疾風と美月の根元に巻き付けた。
緊張しているのか、疾風がゴクリと唾を呑む。
下唇を軽く舐めた俺は、鞄から透明なボトルを出し、トロリとしたローションを手に掛けた。
それを両手に塗り付け、適度に温める。
「美月〜? そっちを向いて、ゆっくりと体を倒してくれ」
「は〜い♪」
未だに何も分かっていない美月は、楽しそうに返事をして俺に背中を向け、上体を前に倒す。
「もう少し、お尻を高く上げろ」
「こう?」
「そうだ。良い子だなぁ、美月」
俺に見えるくらい高くお尻を上げた美月は、ほめられて嬉しかったのか、クスクスと笑った。
俺は片手を疾風の中心に添え、もう片手は美月のお尻の穴に持っていく。
そして美月の内に指を挿入した俺は、疾風のモノを軽く擦り上げた。
「ひゃあぁ……!?」
「んぁ……!」
昔から手が器用な俺は、美月の穴を掻き回しながら、同時に疾風の自身を扱きにかかる。
ヌチュ……クチャ……チュブ……
疾風と美月の喘ぎ声に合わせて、ふしだらな水音が室内に響く。
二人共「先生(俺)の事が好きだ」と言うだけあって、すぐに反応を示してくれる。
疾風のモノはすぐに天を向いて固くなり、美月の穴も俺の指を二本も呑み込んで、嬉しそうにヒクヒクと震えた。
「……こんなモンかな」
二人から手を離した俺は、次にピンク色の道具を二つ取り出した。
一つは筒状の物。
それを疾風の緩く起き上がった自身に、そっとはめてやる。
もう一つは空豆大のシリコン卵。
それをゆっくりと丁寧に、美月のお尻の穴に押し込んだ。
「ひゃっ……!? なっ、何!?」
「コ〜ラ、暴れるなよ」
片手で美月の尻朶(しりたぶ)を掴み、さらに深い所へ卵を押し込んでいく。
「あ……あぁ……ひゃうんっ……!」
異物感に喘いでいた美月は、ある一点でビクンッと身体を震わせた。
「お、ココか……」
「うぁっ……! やっ、やめ……! あん……!」
見付けたポイントを確認するように、卵をグリグリ押し付けてやると、美月の腰がガクガクと震える。
前立腺み〜けっ♪
ニヤリと笑った俺は、卵を前立腺の所に残して、ゆっくりと指を引き抜いた。
早くも美月は、荒い呼吸を繰り返している。
だが、お仕置きはまだ始まったばっかりだ。
「これで良し。……お仕置きスタート♪」
俺は隠し持っていたリモコンのスイッチを入れた。
「ふあぁん……ッ!」
「うぁ……ん……」
お尻の内でブルブルと震えるローターに、美月が甲高い悲鳴を上げ、筒に内蔵したローラーで自身を扱かれる疾風は息を詰める。
「良し良し、ちゃんと動いているな……今から十分、そのままな?」
「やっ、やだぁ……!」
「んっ……葵先生……」
嫌がってはいても、身体はちゃんと反応するようで、二人共ビクビクと身体を震わせた。
手を後ろに縛っているから、自分の意思で外される心配も無い。
「さてと……待たせたな、飛鳥」
「僕には、どんな『ご褒美』をくれるんですか?」
口では強気に言っているが、疾風と美月のお仕置きを見て感じたのか、飛鳥のモノはすでに天を向き震えている。
クスリと笑った俺はまず、飛鳥の唇に触れるだけのキスを落とした。
小さくチュッとリップ音を鳴らし、何度もついばむような口付けを繰り返す。
そして息継ぎのために開かれた唇に、そっと舌を射し込んだ。
俺が軽く舌を絡めると、飛鳥はそれ以上の舌技で返してくる。
あぁ、やっぱり飛鳥のキスには敵わない。
「んぅ……ふ……」
どちらからとも無く、鼻から甘い息が漏れる。
やっと唇を離した時には、互いの舌を透明な糸が繋いで、呆気なくプツンと消えた。
「……まさか、キスだけじゃないよね?」
「当然……」
挑むような飛鳥に、ニヤリと笑って返し、俺は飛鳥の一物に手を添える。
興奮する飛鳥の鼻息と、大人の玩具に翻弄(ほんろう)される疾風と美月の声を聞きながら、俺は手の中の一物に舌を這わせた。
「ん……」
美月の舌使いをマネて、飛鳥の裏筋や括れをなぞり、舌を尖らせ鈴口を抉る。
すでに熱を溜めていた飛鳥のモノは、早くもトロリと雫を溢し始めた。
「気持ち良いか?」
俺がそう聞くと、飛鳥は上気した顔をしかめる。
「……まあまあだね」
強がり言っちゃって。
俺は笑いを堪えて舌を伸ばし、また飛鳥の自身を舐め回した。
次第に飛鳥の眉間にシワが寄りだし、ついに我慢できなくなって上を向くと、恍惚とした甘い息を吐く。
「あぁ……せん、せぇ……もう……イきそう……」
熱い呼吸と共に飛鳥が訴え始め、俺はパッと口や手を離した。
「へ……?」
急に刺激を止められて、飛鳥が呆然とする。
俺はにっこりと笑った。
「飛鳥、早漏(そうろう)がコンプレックスなんだろ? 俺が特訓してやるよ」
「なっ……!」
図星だったようで、飛鳥はカアッと赤面し、言葉を詰まらせる。
……分かり易い。
俺は飛鳥の耳元に唇を寄せて、こっそりと囁く。
「お前も……俺の後ろに突っ込みたいだろ……?」
面白いほどにビクッと肩を振るわせた飛鳥が、ゴクリと喉を鳴らしてた。
「俺も、飛鳥とセックスするの、楽しみにしてんだからな?」
さっきよりも顔を真っ赤にした飛鳥が、少し鼻息を荒くして、激しくコクコクと頷く。
「よし。射精感が治まったら言えよ?」
「……分かった」
殊勝に返事をした飛鳥は、自身を落ち着けようと、深呼吸を繰り返した。
わずかにピクピクと反応していた飛鳥のモノが、少しずつ治まってくる。
「……もう、良いよ」
飛鳥が深く息をつき、俺はまた、飛鳥のモノを咥えて舐め転がす。
そして飛鳥がイきそうになったら、また少し休憩して治まるのを待った。
これを十分――
さすがにそれ以上は、疾風と美月には辛いだろう。
「あっ……せんせ……イくぅ……」
丁度飛鳥も限界のようで、俺はパッと口を離した。
「少し待ってろよ……」
一物を落ち着けようとする飛鳥を残し、俺は疾風と美月に装着した玩具のスイッチを切る。
グッタリとした二人は、射精できない雄をパンパンに張らして、全身で呼吸を繰り返した。
俺は美月のお尻からそっとローターを抜き取り、筒を外してやった疾風の自身を、ウェットティッシュで拭いてやる。
二人の一物を縛るベルトは、まだ外してやらない。
「二人共、イきたいだろう……? 二人で舐め合いっこしような」
「えぇ〜!」
二人の頭を撫でながら言った俺に、美月は思いっきり不満の声を上げた。
「アオ先生は……?」
「俺は飛鳥に『ご褒美』やってる途中なんだよ。ほらほら、お前らは『お仕置き中』だろ?」
美月はまだ不満そうに唇を尖らせていたが、渋々疾風と反対向きに寝転び、疾風のモノを咥える。
少し息を詰めた疾風も、素直に美月のモノに舌を這わせた。
「イきそうになったら、ベルト外せよ?」
そう言って、俺は二人の手を縛るタオルを外し、鞄から別の道具を取り出す。
「飛鳥はコレな?」
俺は飛鳥にイボの付いた棒状のバイブを渡し、自分の尻の穴にローションを注入した。
次の行程を期待して、俺の身体がブルリと震える。
我ながら、とんだ淫乱男になってしまったものだ。
「飛鳥……俺の……舐めてくれるか……?」
「仕方ないね」
ニヤリと笑った飛鳥に尻穴を曝し、俺はベッドに寝転がる。
当然のように俺の頭を跨いだ飛鳥は、逆手に持ったバイブを、俺の尻穴にゆっくりと差し込む。
「くっ、はぁ……」
圧迫感と共に押し広げられた内肉が、物欲しそうにヒクヒクと震えているのが分かる。
俺は飛鳥を急かすように、眼前の雄を咥えた。
ビクッと震えた飛鳥は、バイブを馴染ませるようにグリグリと掻き回し、俺を焦らす。
物足りない刺激に腰を揺らした俺は、飛鳥の自身を唇で扱き、チュウチュウと吸い上げた。
快感に息を詰めた飛鳥が、俺の自身を咥え、何の予告も無くバイブのスイッチを入れる。
「んぉ……っ! ほうぅ……っ!」
急に内部で振動を始めた異物に、思わず俺の腰が跳ねた。
しかも逆手で狙いが狂ったのか、いきなり『強』で震えている。
「んぶ……んん……!」
当然喉を突き上げられた飛鳥は、抗議の唸りを上げて俺の一物を噛み、バイブで内を抉った。
「んほっ……おぉ……! んむぅ……」
俺はぶっ飛びそうになった意識を押し留め、必死に飛鳥のモノをしゃぶる。
これがまた気持ち良い。
四人で身体を繋げた時ほどではないが、上の口も下の口も、一番感じる自身も全部刺激されて興奮する。
その内、俺の言い付けを守っていた疾風と美月がイき、俺と飛鳥も後を追うように達した。
これ以降も毎回の小テストに加えて、この『お仕置き』と『ご褒美』を行っている。
誰が何をするか、しばらくは変化しなかったが、ついに疾風と美月は一念発起してくれた。
……ずっと俺とイチャイチャできなくて、ウップンが溜まっていたらしい。
最初に疾風が『お仕置き』から解放され、続いて美月も満点を取った。
これでやっと、また四人でセックスができる。
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