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「持ち合わせた性格もあるでしょうけれど、どれだけ理不尽なことを押し付けられても許してしまう貴方に、私は怒ってるんですからね。 何ですか……。 命数の殆どを削られてるというのに、みすみす鬼に食われようなんて」 「………………確かに咲耶はキツい物言いをする所がありますが、それは宮司さまが式神を使ったり、宮にいる付喪神(つくもがみ)が苦手だからです。 強がっているだけのこと……。 本当の咲耶は、とても怖がりで繊細な子です。 だからこそ、鬼の里に行った時に気持ちを保っていられるか心配なのです。 宮司さまだって、お気付きなのでしょう?」 「………………。 姿形は幼い癖に、洞察力は妙に鋭いのが腹立たしいですよ、本当に。 少しでも心穏やかに過ごしてほしいと思っているのに、無茶な申し出をするし、一人前に口答えまで……」 「………………ごめんなさい……」 「身内に甘いのは誰でもそうです。 ただ、乳飲み子の時から慈しんできた貴方が苦しむのを見たくないだけですよ、私は」 「………………」 複雑な表情の両親を、宮司は絶対零度の視線で射抜く。 歪みを一身に受け、今度は身代わりを申し出る子供に言うことはないのかと。 室内で隠形して控える式神も宮司と考えが一致しているらしく、庇い立てしてやろうという素振りもない。

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