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「咲良さん、私はこの家の人間の傲慢さが大ッ嫌いです。
何百年もの間、食うに困らないどころか贅沢三昧酒池肉林すら可能なだけの富や財力を与えられ、特に努力を必要とせずに優れた人間も輩出してきました。
しかも、世の中の誰からも妬まれることもなく。
あのクッソ小生意気な娘とてそうです。
人から嫌われる要因が山ほどあるのに、苛めの対象にすらならずに育って来ている。
…………それがどれ程不自然か分かりますか?
理由はただひとつ。
この家が代々抱える歪みも、他者から向けられる負の感情も、巡り巡って引き受ける者がいるからです。
そう、貴方に全てを押し付けて胡座をかいてるんですよ」
「………………」
痛いところをつかれて、両親は何も言うことができない。
その様子を見てあわあわする咲良を心配して、部屋の隅や天井から付喪神らが事態を伺っている。
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