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「ばあ様。
本人は違うと言うが、俺の目の前で選定の泉を歩いて渡って来たのは間違いない。
身代わりが渡れるものなのか?」
「渡れない筈だよ。
咲良はどうだい?足元に何かあったかねぇ?」
「ございませんでした。
もりや様が歩いて来いと仰ったので、そのまま従いました。
宮司さまがわたくしに見えないように術を掛けた可能性が無くは無いですが……」
どうしたら良いものか皆目見当がつかない。
「おかしいねぇ……。
対は生まれる前から運命が決まっている。
身代わりで嫁ごうとしても、泉に浮けずに落ちる筈なんだけどねぇ……」
「ばあ様、姫呼びの泉に行ってみようよ。
もしかしたら、何か手がかりが出てくるかもしれないからさ」
「そうだねぇ」
取り敢えず、泉に行くことになった。
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