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◆◇◆◇◆ 元々いた世界との道が完全に閉じた事で、咲良は守弥の両親に詫びに行かねばと言い出した。 「いや、それは不可抗力だろ。 言い伝えが違っているなんて、誰も思い付かないんだから」 「でも、それではわたくしの気が済みませぬ。 大事なご婚儀を潰してしまったのに、知らぬ振りをしているなど……」 申し訳なくて居たたまれないのだろうが、境界を越えて来て疲れていない訳はない。 「近いうちに必ず連れていくから、今日は体を休めろ。 取り乱したままで出歩くのは良くない」 「………っ、………はい……」 先ずは体を休めるのが先決だと守弥に言い含められて、咲良は渋々引き下がった。 時雨とばあ様が建物の内外へ結界を張ったため、抜け出す事が不可能になったのもある。 決して納得した訳ではないが、頑固な態度を取る事も良くない。 今まで禁域の宮から出たことが無い咲良にとって、境界を越えた世界は更に未知の世界になる。 大人しく従わなければ、更に守弥へ迷惑をかける結果になるのも分かったからだ。 「聞き分けてくれて良かった。 ある程度は俺から話しておくから、落ち着いてから顔合わせするようになる筈だよ。 丁度良さげな着替えも明日持ってくる。 じゃ、そろそろ帰るね」 ニコニコしつつも、更に結界をきつく結び直して時雨は帰っていった。

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