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「そんなもんは頼んでない!と言い張るでしょうが、あの子はそういう性格だと分かってるんじゃないんですか? 7歳で初めて存在を知った弟のね」 「………………っ」 「外を知らずに育って、無法者な姉の災厄やら怪我やらを請け負っただけのただのお馬鹿ですよ、確かに。 繋がりを切れと、数えきれないくらい言い含めましたとも! 漠然としか存在を知らなかった家族と初めて会ったのが7歳の誕生日で、黙殺されてた事をスルーで大喜びしてましたよ。 気紛れに現れる姉を慕って一方通行の流れを強くするわ、終いには家族全員の災厄まで引き受ける始末で。 馬鹿げてますよ、本当に。 意識が無い間に繋がりを断ってやろうとすればするほど、より強くしてましたからね」 「………………っ」 「そんなに怒るなら、少しは自重したら良かったでしょう? 感情のままに赴いてワガママ放題している自分を」 「………………」 「この宮は、あの子が居なくなったことでうちひしがれている者ばかり。 言いたいことは山ほどあるでしょうが、目に見える者も見えない者も喪失感でいっぱいなんです。 渡す気は無かったですがこれ以上長居されても迷惑千万なので、あの子が残していった書状を渡してあげます。 それを持ってとっととお帰りなさい」 素っ気なく渡された封筒。 表には「咲耶へ」とある。 「怒ろうが何をしようが自由です。 まずはあの子の気持ちをしっかり読むんですね」 固唾をのんで見守っていた神職に「摘まみ出しなさい」と目配せをして、宮司は奥へと戻って行った。

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