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「……………」 大人しくしているものの、一旦目が冴えてしまったせいか眠気が一向に降りてこない。 「眠れないか?」 「はい……」 幼児をあやすように守弥が背中をトントンと叩いてくれるが、寝れる筈もない。 「子守唄でも歌っておくか?」 「………………っ、いえ、その……、大丈夫でございます……っ」 先程の表情とは違い、悪戯っぽい笑みに胸がドキリとする。 「手足が温まれば眠気もくる。 もう少しじっとしていろ」 「は……い…………」 トクトクと胸が高鳴る理由が分からずに視線をさまよわせていると、体勢を変えた守弥が咲良を腕の中に包んでくれた。 右耳が心臓の上に当てられる。 付喪神以外と布団に入るのは、咲良にとって初めてのことだ。 『ど、どうしましょう……。 まさか、咲耶の旦那様と同じ布団になんて………。 大丈夫なのでしょうか……、何か差し障りが出たりしないのでしょうか……』 仰向けの守弥に乗っかる形になっていること自体、どうしたらよいのか分からず、咲良はピキーンと固まったままだ。

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