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食事も兼ねての顔合わせということで、守弥の家族達が来たのは昼前だった。
父母は勿論だが、結界を解除するために付いてきた時雨、そして……姉二人に弟妹四人……。
なかなかの大人数である。
分家の志朗が「守弥は子供みたいな嫁を連れてきた。本家には見合わない不っ細工だった」と言い張っていたのもあり、果たしてどんな花嫁なのかと両親は固唾を飲む。
志朗が余計なことを吹き込みはしたが、最終的には陥落するのが目に見えている。
『そんなに緊張しなくてもいいのにねぇ……』
異世界から来た花嫁が自分達より強いかどうかが気になる姉二人は、早くも指をポキポキと鳴らしている。
『………………戦う気も無くなっちゃうよ、きっと』
そう。
守弥が小動物っ気満載なものに弱いように、両親や姉たちも弱いのだ。
………………かなり。
『めろっめろにされちゃうかもよ?』
その場面が、時雨にはありありと想像出来てしまうのだった。
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