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「「………………………………よめ?」」 予想外の単語に、両親もきょうだいも目が点だ。 「…………聞き間違いをしたかな、父さんは。 今、よめと聞こえた気がするんだが、気のせいか? 随分古風な名前の式神だな、守弥」 「そうよ、守弥。 こんなに小さくて可愛らしい雰囲気の子に付ける名前じゃないでしょ? もっと付けようがあるはずよ?」 真剣に言い聞かせる両親の言葉に、咲良もどうして良いのか分からず固まってしまった。 確かに花嫁として見てもらえるような見た目ではない。 見習いの子か式神と勘違いされるのも仕方ないこと。 元々、生け贄としてバリバリと食われる覚悟でこの世界に来てしまったのだから、初めから釣り合っていない……。 改めて、守弥の縁談をぶち壊しにした自分に腹立たしさを覚えた。 「……………っ」 じわじわ滲む涙を堪えていると、守弥が背中を摩る。 「選定の泉を危なげ無く渡って来た、正式な俺の花嫁だ。 何か文句でもあるのか?」 落ち着き払った声に、その場が静まりかえった。

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