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「………………?」 ごっきゅんという音は、一つではなかった。 真ん前に座っていた母だけでなく、後ろにいた姉たち、弟妹までが生唾を飲み込む音を立てたのだ。 室内に渦巻く異様な雰囲気に戸惑い、咲良は小首を傾げる。 何故だろう。 先ほどまでは普通だったのに、守弥と時雨とばあ様以外の全員の目が爛々と輝いている。 それだけではない。 呼吸が乱れ、体はフルフルと震え、手がわきわきと動いているのだ。 「か、かわ……っ!心臓がバクバクする……!」 「すげぇ……、ケモ耳無ぇのが嘘みてえ!」 「うさ、うさこ!」 「目がウルウル………!萌え!」 「マジか、マジなのか!兄貴の嫁可愛すぎだろ!」 「やば!ちょっと、抱っこさして!」 「うお!鼻血!!」 「………………?」 「「ふおおおおっ!!」」 理解できなくて小首を傾げた咲良に、再び皆が萌え転がったのだった。

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