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テンションが駄々上がりだった家族を落ち着けてから、改めて守弥は咲良を紹介した。
背は小さいが、間違いなく15歳になっていること。
また、選定の泉を渡って来たことを。
咲良からは、花嫁として渡ってきたが、自分は男子であること。
そして……、本来の花嫁は姉の咲耶であり、自分は身代わりの忌み子であることも……。
「それじゃ、咲良ちゃんはお姉さんの代わりにバリバリと食べられる覚悟で此方に来たということなの?」
「はい。
咲耶はとても怖がりですので、正気を失ったまま死んでしまったら輪廻の輪に戻れないと思ったのです。
守弥さまには、本当に申し訳ないことを……」
「身代わりの花嫁が選定の泉を渡って来ることはありえないんだが……。
それに、隣に座る守弥と気が反発する気配もない。
ばあ様はどう見てるんだ?」
「どうもなにも、さくらは守弥の花嫁だと思うよ。
昨日の夕刻に初めて顔合わせして、ここまで気の馴染みが良いのはそうとしか思えないからねぇ」
「「…………………………」」
身代わりが境界を渡ることは出来ないし、伴侶となるべき守弥との気の相性が良すぎる。
両親もばあ様も、咲良が本来の花嫁なのではと感じるようだ。
「ちょっと診てみようかねぇ。
守弥とさくらは床に寝っ転がってみようか」
「……あ、ああ」
「は、はいっ」
二人が並んで寝そべると、ばあ様が立ち上がった。
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