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守弥は、生まれつき魂の一部が欠けていた。
生まれ出でる直前ではない。
輪廻の輪を巡る間に欠けたのか、そもそもの魂の起源になった人物の人生の内に欠けたのかは特定できなかった。
その欠片が咲良の魂に息づいていたとは……。
ばあ様は、複雑に絡み合う蔓が解けないかと試してみる。
しゃりぃんっ!
ひときわ大きな音が鳴り、蔓は互いにきつく絡み付く。
まるで、命よりも大事なものを守るかのように……。
何度も試すがその度に蔓が拒絶をし、ばあ様の力すらも跳ね返した。
「だめだねぇ……。
魂で包んでいる上に、咲良の心臓とも半ば同化してる。
無理を通せば、咲良の命ごと守弥の欠片が砕け散るかもしれない……」
「咲良ちゃんの中に何故守弥の魂が……?」
「そこが謎だねぇ……。
少なくとも、直近の前世ではないと思うよ。
核を取り巻いてる蔓から感じる波動が、結構古い。
百年やそこらの程度じゃなくて、………………多分、千年近いんじゃないかねぇ……」
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