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雪崩れ込んできた面々は、守弥以外の子供たちと分家の親子たちだった。
「……なっ、なにをしてるの……あなたたちは……っ!」
「ご、ごめんね。 なんか気になっちゃって……」
「最初は庭で待ってたんだよ。でも……」
「術の気配がしたから見にきたんだ」
「皆で隙間から見てたら、おじさんたちが来て……」
「いやその、うちの坊主が本家の嫁がえらいこと不細工だと言うから……」
最初は庭で待っていた子供たち。
術の発動が気になり襖の隙間から覗いていたところに、昨日の一件を息子から聞いた分家夫婦と息子たちが訪れ、覗きに加わり……。
重さに耐え兼ねた襖とともに大音声を伴って倒れ込んだ……という流れのようだ。
「大体の流れは分かったけどねぇ……。
飛び込んできたのは最悪のタイミングみたいだよ」
「「え…………!?」」
「ウソ……っ!!」
ばあ様の視線の先、紗の繭にくるまれた守弥と咲良に異変が起こり始めていた。
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