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磁場が不安定になり、風が逆巻く。
「まずい、紗の膜が……っ」
「あるじさま、近寄れません…っ!」
「ふえぇ……っ、力が逆流してますうっ!」
ばあ様と童子の三人が術をかけ直そうとしているが、狂った流れはそれを受け入れようとはしない。
「まずいぞ、暴走したら二人が……っ」
「大変っ!あなたたちも手伝いなさいっ!」
守弥の両親も風を受け流しながら力の向きを変えようと頑張るものの、逆巻く流れの勢いが衰える気配すらない。
空気が帯電を始め、バチバチと音がする。
「ああ……っ!」
「兄ちゃんとうさこが……っ!」
二人を包んだ繭が、じわじわ剥がれている。
「このままじゃ危ない……っ」
深く眠ったままで暴風と化した力に曝されたら、部屋のどこかへ叩き付けられてしまう。
どうにかしたいが、暴風は勢いを増すだけだった。
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